管理職はいらない AI時代のシン・キャリア
著者の野口竜司氏はZOZOのAIプロジェクトを手がけていて、大企業やスタートアップのAIアドバイザーも行っている。
そんな彼曰く、これからの管理職はAIの知見がないとやっていけないと。いや、必要なくなると。
コロナ禍における在宅ワークで、管理職の仕事の無さに気づかされた。
出勤していた頃は部下の机を回っては雑談したり、相談に乗ったり、そうやって部下の顔色を見て悩みや不安を抱えていないかを確認するのが仕事だった。
でも、そんなの無くたって仕事回るよね。これに気づかされてしまったわけだ。
そして時代はDXの時代へ突入している。
デジタルトランスフォーメーションとは、簡単にいうと「デジタルシフト」のことで、生活にデジタル(IT)が浸透し、より良い変化を遂げるということ。
これが一般の会社にも浸透してきた。
要は、ITを活用して会社の「労働生産性」を上げようねということだ。
そのDXの中でAIを活用していこうと。その知識を学んでいこうと。特におじさん管理職は、ここについて行けるか行けないかで大きく変わると。
そして、今後はAIの知識を持った新人が入ってくる。今の子供たちには学校でAI教育が当たり前になるし、そもそも小さい頃からAIに触れて育ってきているからだ。いわゆるAIネイティブ。
昔の上司がパソコンを使えなかったように、いまの中年はAIが使えない。そして若手が教えてあげる。
そんな構図となっていく。
そもそも、AIとはどんなものなのか。
イメージとしては、人間の知能を備えたロボットが人間の仕事を奪っていくという恐怖が先行するが、そういうことではない。
AIはあくまで人間のアシスタント、補助的な役割。人間がやりたくない仕事を代わりにやってくれる存在。つまり、AI部下をつけるということ。
人間の部下と同様に、AIも部下として働いてもらう。それが出来れば劇的に生産性が上がる。
AIは、レコメンド(お勧め)してくれたり、一人一人への最適化(パーソナライゼーション)してくれたりするAIアルゴリズムによるもの。
身近なサービスでいうと、Google検索結果やAmazonやNetflixのレコメンド、画像認識、文字認識、音声認識などがある。
いまやスマホでフリック入力するよりも音声入力した方が早い。しかもかなり正確。
AIの知識を身につけるためには、まずは普段からAIに触れることが大事。そしてこの機能がAIなんだと認識すること。
そうしないとAIを使う側にはいつまで経っても行けない。
そして、AIはデータが無いと力を発揮できない。「ビッグデータ×AI」がセットだ。
ネット時代にはあらゆるデータが取れる。そしてデータをもとに経営判断をしていく時代。
昔の人みたいに「KKD」(経験、勘、度胸)で判断する時代は終わった。
とはいえ、現実社会はまだまだKKDでやっている。会社内の中年管理職を見渡すと、本当遅れている。DXどころではない。ましてやAIなんて雲を掴むような話。
個人的に思うのは、AIの前にまずはRPA(ロボティックプロセスオートメーション)を使いこなす必要があると思う。人手でやる定型作業、雑務、これを自動化させるだけで大分違うと思う。
ロボットで出来る作業は人間がやる必要はない。多少のお金はかかるが、人件費に比べれば安いもの。
会社として雇用の創出をすることは意義があることだが、仕事内容は変わっていくだろう。人間でしか出来ないことをやる。そのように。
で、このDX時代に乗り遅れないためには、「楽しむこと」が大事だ。便利なITツールを見つけたら、これをこうしたらすごい便利になるなあとか、そんな風に捉えていけばワクワクするし、興味が湧いてくる。
やっぱり楽しまないと覚えないしモノに出来ない。これからのデジタル社会を楽しみにしていこう。