付加価値のつくりかた 一番大切なのに誰も教えてくれなかった仕事の本質
付加価値とは何か?付加価値とは、「お客様のニーズを叶えるもので、そしてその価値はお客様が決めるものである」
自社商品の特徴ばかりを並べるのではなく、お客様の得られる利益(ベネフィット)は何か?から着想すること。つまり、どうすれば売れるのか?ではなく、なぜお客様が買うのか?から考えるということ。
それは「付加価値」か「ムダ」か
かつて、ある大手家電メーカーが「洗浄力ナンバー1」と謳った洗濯機を開発した。そのメーカーは特徴の第一ポイントとして「洗浄力」を挙げ、商品ホームページの大部分を使って洗浄力に関する情報を載せ、大々的に広告した。しかし空振りした。力を入れた割に全然売れなかった。それはなぜか?
消費者にとって、洗濯機の洗浄力にそんなに不満はないからだ。ある一定の性能レベルを超えれば「洗濯機の洗浄力」には価値がない。それよりも、「容量」や「乾燥機能」、「静寂性」「節水・節電」「デザイン」などに価値を感じている。つまり、このメーカーは「顧客が本当に求めている価値」を見誤って、ムダな高性能を搭載した洗濯機を開発してしまったのだ。
価値はお客様が決める
10年目の結婚記念日にディナーを予約しようとした時、イタリアンではなくフレンチにしようとして問い合わせた際、ホテルスタッフは言ってはいけない一言を言った。
「お客様、そちらのプランは少し高くなっておりまして、16万円するんですが・・・」
これは妻と私の大事な結婚記念日だ。私たちの結婚記念日に、いくらくらいのお金を支払ってどんなお祝いをするか、それが高いか安いかを決めるのは私たちだ。
なぜ売り手が勝手に「高い」と、サービスの価値を決めてしまうのだろうか。
逆に記念日をより特別な日にするべくホテルがあらゆるサービスを提供すれば、価格は3倍になってもお客様は買う。提供サービスの価値はお客様が決めるものだ。
顕在ニーズと潜在ニーズ
顕在ニーズは、目に見えてわかりやすいお客様のニーズ。潜在ニーズは、お客様自身も気づいていない隠れたニーズ。「そうそう、それそれ」とうインサイトをつくもの。そしてこれを見つけるには現場に足を運ばないとわからない。現場を調査・観察して初めて潜在ニーズが見えてくる。
顧客の顧客を喜ばせることを考える
法人顧客に対する「付加価値」とは、顧客の顧客を喜ばせることだ。お客様が欲しいのは「自分の成功」、つまりその先にいるエンドユーザーに売れること、感謝されること。そのサポートをするのが営業だ。
そのために、お客様のニーズを①明確に②完全に③認識のずれなく、理解すること
ただし、お客様に対する姿勢として注意が必要なのは、知識マウントを取らないことだ。それは嫌われるだけだ。
得られる利益を具体的に数字で表す
(キーエンスでは「すべてを数値で判断する」という企業文化が根付いている)感情論や精神論で判断はしない。
個人の属人的な頑張りよりも、仕組みの価値が非常に大切にされている会社である。