気ままに書評ブログ

本を読んでアウトプットすることではじめてインプットできる!自分自身の為と、ブログを読まれた方へ少しでも参考になれば良いかなと思い、気ままに書評を書いていきます。

管理職はいらない AI時代のシン・キャリア

著者の野口竜司氏はZOZOのAIプロジェクトを手がけていて、大企業やスタートアップのAIアドバイザーも行っている。

AIテクノロジーのエキスパートだ。

 

そんな彼曰く、これからの管理職はAIの知見がないとやっていけないと。いや、必要なくなると。

 

コロナ禍における在宅ワークで、管理職の仕事の無さに気づかされた。

出勤していた頃は部下の机を回っては雑談したり、相談に乗ったり、そうやって部下の顔色を見て悩みや不安を抱えていないかを確認するのが仕事だった。

でも、そんなの無くたって仕事回るよね。これに気づかされてしまったわけだ。

 

そして時代はDXの時代へ突入している。

デジタルトランスフォーメーションとは、簡単にいうと「デジタルシフト」のことで、生活にデジタル(IT)が浸透し、より良い変化を遂げるということ。

これが一般の会社にも浸透してきた。

要は、ITを活用して会社の「労働生産性」を上げようねということだ。

 

そのDXの中でAIを活用していこうと。その知識を学んでいこうと。特におじさん管理職は、ここについて行けるか行けないかで大きく変わると。

 

そして、今後はAIの知識を持った新人が入ってくる。今の子供たちには学校でAI教育が当たり前になるし、そもそも小さい頃からAIに触れて育ってきているからだ。いわゆるAIネイティブ。

昔の上司がパソコンを使えなかったように、いまの中年はAIが使えない。そして若手が教えてあげる。

そんな構図となっていく。

 

そもそも、AIとはどんなものなのか。

イメージとしては、人間の知能を備えたロボットが人間の仕事を奪っていくという恐怖が先行するが、そういうことではない。

AIはあくまで人間のアシスタント、補助的な役割。人間がやりたくない仕事を代わりにやってくれる存在。つまり、AI部下をつけるということ。

人間の部下と同様に、AIも部下として働いてもらう。それが出来れば劇的に生産性が上がる。

 

AIは、レコメンド(お勧め)してくれたり、一人一人への最適化(パーソナライゼーション)してくれたりするAIアルゴリズムによるもの。

身近なサービスでいうと、Google検索結果やAmazonNetflixのレコメンド、画像認識、文字認識、音声認識などがある。

いまやスマホフリック入力するよりも音声入力した方が早い。しかもかなり正確。

 

AIの知識を身につけるためには、まずは普段からAIに触れることが大事。そしてこの機能がAIなんだと認識すること。

そうしないとAIを使う側にはいつまで経っても行けない。

そして、AIはデータが無いと力を発揮できない。「ビッグデータ×AI」がセットだ。

ネット時代にはあらゆるデータが取れる。そしてデータをもとに経営判断をしていく時代。

昔の人みたいに「KKD」(経験、勘、度胸)で判断する時代は終わった。

とはいえ、現実社会はまだまだKKDでやっている。会社内の中年管理職を見渡すと、本当遅れている。DXどころではない。ましてやAIなんて雲を掴むような話。

個人的に思うのは、AIの前にまずはRPA(ロボティックプロセスオートメーション)を使いこなす必要があると思う。人手でやる定型作業、雑務、これを自動化させるだけで大分違うと思う。

ロボットで出来る作業は人間がやる必要はない。多少のお金はかかるが、人件費に比べれば安いもの。

会社として雇用の創出をすることは意義があることだが、仕事内容は変わっていくだろう。人間でしか出来ないことをやる。そのように。

 

で、このDX時代に乗り遅れないためには、「楽しむこと」が大事だ。便利なITツールを見つけたら、これをこうしたらすごい便利になるなあとか、そんな風に捉えていけばワクワクするし、興味が湧いてくる。

やっぱり楽しまないと覚えないしモノに出来ない。これからのデジタル社会を楽しみにしていこう。

 

 

 

 

安いニッポン 「価格」が示す停滞

昔(20〜30年前)、韓国旅行の際に、現地の物価が安くてすごいお得感があったのを記憶している。

コンビニでタバコやドリンクやお菓子を買ったのだが、日本の3分の1くらいの値段だったと思う。

 

それが、まさにいま同じことを感じているのが訪日外国人旅行客である。

日本の物価は安い。しかも品質が良い。

 

いつの間にか「安い国ニッポン」になっていた。日本人はあまり意識したことがないと思うが。

失われた30年とはよく言ったもの。デフレの深刻化。

 

それをあらゆる側面から解説している本だ。

 

物価の安い国ニッポン

ディズニーランドの入場料、ダイソーの価格で世界で最も安い国は日本である。

ダイソーは中国で生産しているので関税は関係ない。それでも東アジアの国々よりも最安値である。

東京ディズニーランドは最近少し値上げしたが、それでも1万円を切っているのは日本くらいだ。

回転寿司にしても、100円のお寿司が食べられるのは日本くらいだ。

あと、数年前には銀座にツアーバスで乗り付けて家電を爆買いしていく中国人が話題になっていたが、日本製の品質が良いということもそうだが、それ以上に、「単純に安い」からだ。

日本人もヨーロッパにブランド品を爆買いしていた時期もあったが、今まさにそれを日本でやられているという状況。

なぜこんなにも海外に比べて安くなってしまったのか。

逆に言うと、海外は物価が上がり続けているということである。

 

人材の安い国ニッポン

物価が上がらない理由に、所得が上がらないからという理由がある。日本だけずっと「実質賃金」を割り込んで推移している。30年間変わっていない。

他国では、物価も上がるが所得も上がっている。

象徴的な例として、「米住宅都市開発省」がサンフランシスコで年収1400万円の4人家族を「低所得者」に分類した、という。

でもこれは、所得とともに物価も上がっているということなので、相対的には暮らしはあまり変わらない。

日本は給料も安いが物価も安い。安く生活できる環境があるから問題はない。

物価が安いから給与が安いのか、給与が安いから物価が安いのか、いわゆる「卵と鶏」問題である。

 

買われるニッポン

物価も給与も安い日本は、日本国内においては問題ないが、対外国となると、割安な日本は買われる対象となる。

雪質が良くて有名な北海道のニセコは海外客の人気を集めている。冬のシーズンには毎年のように海外客で賑わっている。そして、遊びに来るだけではなく、海外企業が目をつけ投資に乗り出している。土地や施設を買い、新しく高級ホテルやコンドミニアムを建てている。

外国人向けの高い宿泊施設、そして飲食店のメニューも軒並み高い。ラーメンが一杯1500円もする。

地価も爆上がりしている。もう日本人が買えないくらいに。

つまり、ニセコはもはや日本であり日本でない。高くて日本人は遊びに行けないし暮らせない。外国人向けの施設やレジャーを外国人が作ったということだ。

そして、買われるのは土地だけではなく、「会社」や「技術」にも及んでいる。

例えば技術力のある中小零細企業(いわゆる町工場)を中国企業やアジア企業が買っている。資金不足で廃業になりそうな老舗企業というのは結構多い。そこに手を差し伸べているのが海外企業という状態。

あと、アニメ業界にもその波は押し寄せている。アニメの制作会社(つまりアニメーター)は、売上の1割程度しか入ってこない。その中抜きをしているのが「製作委員会」であり、そこが出版社、放送局、広告代理店などから資金を集め、制作会社に制作費を支払っている。このような構造上の問題がある。

一方で、Netflixなどの動画配信サービス提供者は、直接制作会社に依頼が出来る。そしてアニメーターへの報酬が2倍、3倍となる。

つまりどういうことかと言うと、Netflixなど豊富な資金を持つ海外企業が、優秀なアニメーター(制作会社)を直接抱えることが出来るということ。

ゆえに、ヒット作を飛ばし続けることが出来る。

(なお、Netflixの年間制作費用は1兆5000億円でNHKの5倍であり、民放キー局をすべて足しても追いつかない)

このように、低賃金で働いている人たちにとっては海外企業は助け舟とも言える。決して悪いことではないが、このままだと優秀な人材の海外流出は止められないだろう。

 

安いニッポンの未来

失われた30年のデフレ経済でいつの間にか安い国となった日本だが、これからどうなっていくのか。

2012年安倍政権発足後、円安誘導やビザの緩和でインバウンドを増やしていった。2019年には3188万人でインバウンド客の旅行消費額は4兆8000億円にものぼる。(ちなみに世界一の観光客を誇るのはフランスで、2019年は9000万人が訪れ年間21兆円を生み出している)

中国人の家電爆買い消費に代表されるように、もはや日本国内で日本人向けの消費はなかなか期待出来ない中、インバウンドが頼みの綱である。

少子高齢化で、しかも財布の紐が固い日本人の消費だけではGDPの成長は期待できない。

これからは、フランスのように観光立国を目指していくべきではないかと思う。

そして、そのためには外国人向けに高級ホテルを増やしたりカジノを作ったりするべきだ。

あくまで日本人向けじゃなくて外国人向けに。

日本人向けには安い商品、サービスを。外国人向けには高くて高級な商品、サービスを。つまり、二重価格にする。

ニセコのように日本人が行けないような場所があっても良いのではないか。外国人が喜んで消費してくれるなら。

もちろん、そうなると副次的な作用もあって、今までのように安くて美味しい回転寿司の100円寿司は食べられなくなるかもしれない。魚を「買い負けて」仕入れられなくなるからだ。

外国企業が高く買う、あるいは外国人向けのお寿司に使うため高く仕入れられる。そして日本人は安い魚しか食べられない。

これは極端な例だが、つまりはそういうことだ。

 

最後に、これから将来のことを本当に考えるなら、日本の教育を変えないといけない。グローバル社会において日本の教育はとても後進的で定型的。

最低でも英語(あるいは中国語)は話せるようにならないといけないだろう。

 

 

 

 

 

稼ぐ!プロ野球 新時代のファンビジネス

一昔前までのプロ野球は親会社のタニマチ的存在だった。野球自体では稼げない。親会社の広告媒体であるというのが通説だった。

その大きな要因として、1954年に国税庁からの通達により、子会社である球団への赤字補填は「広告宣伝費」として損金処理ができるようになったことだ。

そして、一番の収入源である「巨人戦」の放映権料は1試合1億円とのこと。他球団は巨人戦が稼ぎ頭だった。

あの西武黄金時代ですら観客は満員ではなかった。つまり、当時はコアな野球ファンのみが観戦するだけのプロ野球だった。球団も集客の努力をして来なかった。

ほとんどの球団は赤字経営が続き、ついに2004年に球団縮小の動きが出た。球団オーナー達(特に読売、西武、オリックス)が12球団から10球団にし1リーグ制にしようとしたが、選手やファンが猛反対し世論を動かして何とか食い止めた。

その翌年2005年からプロ野球界は変革の時期を迎えることに。

楽天が新規参入し、ダイエーホークスソフトバンクが買収し、オリックスバッファローが合併、日本ハムが北海道に移転。

変化点はすべてパリーグだが、ここからパリーグは大躍進していくことになる。

 

 

世界的エンタメ企業を目指すソフトバンク

ここ11年で7回の日本一を誇る最強ソフトバンクは、年俸総額も集客人数も12球団トップであり、順風満帆だが、球団としてはさらなる「野望」がある。

2020年7月に、PayPayドームのすぐ横に「BOSS E・ZO FUKUOKA」というアミューズメント施設がオープンした。7階建で各階に各種アミューズメントが詰め込まれている。アトラクションやフードホール、吉本劇場やHKT48の専用劇場。

様々なジャンルのエンタメが入った総工費120億円のこのビルは「福岡ソフトバンクホークス」が建てたのだ。

球団がこんな施設を作るのは今までに無かったこと。

球場や選手への投資なら分かるが、野球に関係のないものへ巨額の投資をするのはなぜなのか?

単純に考えると、若年層やインバウンドの集客を強化するための集客装置を作ったのだろう。そして、「ついでに野球も観てもらう」という。

でも実際は、そんな浅はかな考えではない。

ソフトバンクホークスという球団はもっとスケールの大きなことを描いている。

まず、球場のキャパシティはアッパーが決まっていて、すでにほぼ満員状態のため、これ以上の売上というのは野球単体では難しい。これからの少子高齢化も見据え、更なる客層を取り込むために新しいビジネスを立ち上げる必要がある。

ドーム界隈に新たな楽しめる施設を作ることで、単純に多くの人たちに遊びに来て欲しいのだと。

韓国や中国の人が旅行で遊びに来た時に、昼から夜まで遊べてそのまま宿泊できるという、そう、まさにラスベガスのような街にしたい。

遊びに行くならとりあえず「PayPayドーム、E・ZO」に行こうと、そういうリゾート地にしたいという野望。

後日談だが、このE・ZO建設案の前に、ドーム内の球団事務所などを外にビルを作って移して、ドーム内のスペースをもっと有効活用しようという案があったらしいが、孫オーナーが一蹴した。

「そんな小さなスケールで考えてどうする。エンターテイメントに走れ」

球団のスローガンは「目指せ世界一」である。

 

北海道日本ハムボールパーク建設に込めた夢とロマン

今の本拠地札幌ドームから、2023年に移転が決まっていて、その新球場を今まさに建設中だ。

札幌ドームは道内の財界企業が出資している第3セクターで、札幌市が所有しているため、日本ハムは単に場所を借りて野球をしている状態に過ぎない。

つまり、球場を自由にイジれない。客席を増やしたり看板をデジタル化したりグッズ販売やフードの販売を自由に出来ないなど。

球団による「野球ビジネス」が自由に出来ないという構造上の問題がある。

そのため、自前の球場を持ち自由にビジネスが出来るよう移転に踏み切った。

ただそれは、最低条件であるとして、球団としてはもっと先を見据えた壮大な「夢やロマン」がある。

ちなみに、プロ野球12球団で自前の球場を保有、あるいはグループ企業が球場を保有しているのは、ソフトバンク、西武、オリックス阪神、横浜DeNAの5球団。

指定管理者制度などで運営や営業権を得ているのが、楽天千葉ロッテ、広島カープ

使用料を払って借りる形を取っているのが、巨人、ヤクルト、日本ハム

中日は親会社の中日新聞社とその他複数企業が出資したナゴヤドームに、使用料を払って借りているという形。

話を戻すが、日本ハムの新球場の場所は北海道北広島市で、32ヘクタールの巨大な敷地を予定している。甲子園9個分の広さだ。

もちろん球場だけなら5ヘクタールあれば十分だが、日本ハムの描くものは「新たな街づくり」だ。

そこにはホテル、アリーナ、陸上トラック、病院、幼稚園、小学校。2027年に完成予定の新駅付近には移住空間、スケート場やSPA、アクティビティ施設など、これは本当に新たな街が出来ることを意味する。

野球場は本格的なメジャーのボールパークのようにする。ドームではなく天然芝の屋外球場。子供たちがワクワクするような球場。ブルペンも外野フェンス外に作られ、お客さんと触れ合える距離にする。

今回の本拠地移転は、単なる移転ではなく「壮大な未来図」が描かれている。

 

ライオンズの「球団映像」を制作する意義

まず、プロ野球のテレビ放送の大きな流れとして、昔は地上波での「巨人戦」のみ数字が取れていた。

それが次第に視聴率が取れなくなり、地上波からBS、CSへ、そして最近ではサブスクのDAZNへ移行していった。

多様化した現代において、全国民が同じように興味を持ってもらうのが難しい。

逆に言えば、贔屓にしているチームの試合は深く観ることが出来る。実際、チームの本拠地のある地域での視聴率は高い。

もうすでに、個人が好きなコンテンツを自由に視聴できる時代に突入した。

そんな中、ライオンズの映像責任者である元プロ野球選手の高木大成は、様々な改革を行なっている。

今まではテレビ局に「放映権」を売って、その中継に関わるすべての手配(中継車やカメラ配置やスタッフ、アナウンサー、解説者)をお願いしていたが、これを球団の自前で行うということだ。

つまり、映像自体を球団が制作して、放映権だけでなくその映像(コンテンツ)をテレビ局へ販売する形。

これの何が良いかというと、著作権の問題が大きい。球団側に映像コンテンツが残るということは、それを自由に切り売りが出来る。スポーツニュースで使いたいという番組制作会社にも売れるし、たとえば西武鉄道内のデジタルサイネージで広告を出したい企業に、タイアップという形で試合の映像を使える。

池袋駅の巨大なデジタルサイネージ西武鉄道内なので自由に使える。

これを対戦相手の球団へ売ることも出来る。通常はホームチームの贔屓目線で作られるが、カメラ配置を追加して、対戦相手の贔屓目線でカメラワークをすることが出来る。

このアレンジした映像を対戦相手の地域のテレビ局へ売れば、その放送局は独自のアナウンサーと解説者を立てればライブのテレビ中継が可能になる。

メジャーの試合をNHKが国内から実況、解説しているのと同じように。

 

SNS時代の情報発信とは

各球団が持っている公式YouTubeチャンネルが増えてきた。というより全球団あるのかな。

TwitterInstagramもやっている。

球団の広報はあれこれ工夫して多くのフォロワーを集めている。

ソフトバンクは元キャスターの女性が担当している。ロッカーやベンチ裏の様子や選手のオフショットを発信している。カメラの位置が低く、女性目線で見ることが出来るのがリアルである。

松田の声かけで有名な試合前の円陣の映像もソフトバンクが先駆けだ。

千葉ロッテの広報はまたサンケイスポーツの記者で、選手個人にフォーカスしてインタビューしたり記者さながらの映像を撮っている。

オリックスの広報は元プロ野球選手で、選手の練習風景だったり、吉田正尚インパクトをまとめた映像などマニアックなものを撮っている。

いずれも、今までテレビでは到底観られなかった映像をYouTubeで発信することでコアなファンの獲得をしている。

 

まとめ

2019年の観客動員数は過去最多を更新した。令和の時代のプロ野球はスタジアムに遊びに来てもらうという仕掛けが必要になる。

単に野球そのものを観戦するだけじゃなく、エンタメ要素を取り入れてレジャー施設同様に子供も女性も楽しめることが重要だ。

ソフトバンク日本ハムは野球場単体のビジネスではなく、メジャーのような「街づくり」を目指している。

あと4〜6球団くらい増やして全国各地で地域おこしのように盛り上げていければ理想的だ。

 

 

 

 



池上彰と考える「死」とは何だろう

「死」について考えるということは、同時に「生きる」ということを考えることだ。

 

まずは科学的に「死ぬ」とはどういう状態のことか。

心臓の動きが止まり、全身に血液が行き渡らなくなると脳にも血液がいかなくなる。脳が機能停止になるとやがて死亡する。

 

心肺停止になった人を蘇生させるには、3〜4分以内に心臓マッサージをする必要がある。心臓に圧力を加えることで強制的に脳に血液を送り込む。

AEDは電気ショックを与えて心臓の動きを正常なリズムに戻るための医療機器。心停止の「心室細動」のときに「のみ」作動するように出来ている。

 

そもそも、人はなぜ老いて死んでいくのか。

人間の体は約37兆個の「細胞」から出来ていて、毎日4000億個の細胞が日々死を迎えている。

たとえば皮膚細胞は1ヶ月周期で生まれ変わり、古い細胞は「垢」となって剥がれ落ちる。

その、新しく生まれ変わる細胞を作り出す力がだんだん弱くなるのが「老化」である。

シワが増えたり髪が薄くなったり、体自体が小さくなったりする。

そして、細胞が定期的に死ぬように指示しているのがDNAで、そのことを「アポトーシス」という。

このアポトーシスに異常が起きると「がん細胞」を消去できない。逆にアポトーシスが進みすぎるとエイズアルツハイマーになるという。

 

ティージョブズの「死生観」

2007年に世の中にiPhoneを登場させ、2011年に膵臓がんで死去している。短命の革命家である。

有名なスピーチの中に、「もし今日が最後の日だとしても、今からやろうとしていたことをするだろうか」とある。

毎日、常に、自分の直感、自分のやりたいことに従って生きようという考え方である。

こんな考え方だけに、いろんなところで摩擦を生んでいたようだが、信念は曲げなかった。

ジョブズのようには生きられないけど、このような考え方を少しでも取り入れることは「自分の人生を生きる」ということに役立つ。

 

宗教ごとの「死生観」

 

キリスト教は、カトリックプロテスタントで若干違う。カトリックは、「生前の許しを請う」ことに対し、プロテスタントは、「故人が生涯を全うしたことを神に感謝する」というニュアンス。

他にも、宗教者の呼び名が、カトリックは「神父」でプロテスタントでは「牧師」。

いずれにしても、キリスト教での死とは、「神のもとへ行くこと」であり、悲しむべきことではなく、祝福されるべきことである。

日本のように、「お悔やみの言葉」をかけるものではない。

 

イスラム教においての死とはもっと神格化していて、今生きている現世は「仮」の世界、「来世」こそが本当の「生」と考えられている。

皆、「天国へ行く」ために現世で厳しいルールを守っている。1日5回の礼拝、お酒は飲めない、豚は食せない、年に1度、1ヶ月間の断食など。

死は来世への通過点であり、人生の終わりではなく怖いものではない。大切なのは来世であり、「天国」へ行くのか「地獄」へ行くのかは、現世での行いによる、という考え方。

ちなみにイスラム教では火葬ではなく土葬の文化。火葬は火で焼かれる地獄の懲罰と連想される。

 

仏教においての死とは、「極楽浄土」を目指すということ。故人の生前の行い次第だが、法事やお墓参りで僧による「追善供養」をすることで、故人の善行を修め、故人の生きていた頃の悪行を軽くし、徳を増やして「極楽浄土」に生まれ変わってもらうことを願う。

仏教では「生きること」は「一切皆苦」であり、「この世の営みは全て思い通りにならない苦しみである」と捉える。つまり、人生はもともとうまくいかないものだ、良い事が起きたら感謝しよう、という考え方。

 

日本人においての死とは、日本独自の宗教「神道」によるもので、死後の世界を「黄泉」という。生き返ることを「よみがえる」というのは「黄泉から帰る」ということ。

この「黄泉」が汚らわしいと考えられている。なので葬式後には「清めの塩」を振るし、禊(みそぎ)をするため冷たい海に入ったり滝に打たれたりする。

映画「おくりびと」のワンシーンで、広末涼子が納棺師になった夫に「汚らわしい!」と言い放ったが、日本人にとっての「死」とはまさにそのようなことである。

 

「あいまいな喪失」

東日本大地震新型コロナウイルスで家族を亡くした人たちは、死に目に合えず「あいまいな喪失」と向き合うことになる。

最後にしっかりとお別れが出来ずに亡くなる喪失感は、想像ができないし、とても辛いことだと察する。

当たり前の日常が、どれほど素晴らしく、ありがたいものであるか。

 

安楽死」を考える。

ALS患者など、いっそ安楽死させて欲しいと考える人もいる。一方で、まだ生きたいと考える人もいる。安楽死が合法的に認められていたとしたら、本人の意思で選べるから良いのではないかと、一見は思われる。

が、同調圧力の強い日本においては、ALS患者に対し、声に出しては言わないが、「まだ生きてるのかよ」みたいな雰囲気が必ず出てくる。

「まだ生きたい」と思っている人へのプレッシャーになる。

安楽死の問題は、実はいろんな問題が潜んでいる深い深い問題なのである。

 

 

ということで、死について考えることは、同時に「生きる」ことを考えるということである。

人は皆死ぬ。そして自分の死ぬ時期は自分で選べない。これは紛れもない事実。

だからこそ、「いま」に感謝し、「いま」を全力で生きることが大事なのである。

 

 

 

 

 

地図でスッと頭に入る幕末・維新

幕末・維新とは、およそ20年の間繰り広げられた、坂本龍馬西郷隆盛高杉晋作吉田松陰桂小五郎勝海舟新選組、動乱の世を駆け抜けた英傑たちのドラマである。

 

1853年、ペリーの黒船が浦賀に来航するところから始まり、そして1877年、最後の内戦である西南戦争終結によって激動の時代にピリオドが打たれる。

 

黒船により鎖国が解除され、外国の侵入に対抗する「尊皇攘夷」派である長州藩アメリカなど四カ国軍へ攻撃を仕掛け、さらには幕府にも牙をむく。

薩摩藩はイギリスと戦い、最新鋭の武器の凄さを知り武器を仕入れていくことに。

討幕派の両雄を結びつけた坂本龍馬による「薩長同盟」。

幕府を追い詰め、坂本龍馬船中八策により慶喜将軍に「大政奉還」をさせ、政権を天皇に返納させた。そして「王政復古の大号令」で完全に政権を奪取する。

勝海舟西郷隆盛の話し合いにより江戸城無血開城させて慶喜を故郷の水戸に退ける。

そこから幕府の残党たちと戊辰戦争が開始されるが、1年半でピリオド。新政府の勝利で終わる。

 

明治政府は、幕府時代の地方分権から中央集権制へ変えていく。

当初の中央政府の首脳は、薩摩・長州・土佐・肥前の出身者に限定されいた。

江戸から「東京」に改称し、元号天皇一代につき一つの「一世一元制」にし、首都を東京とし、天皇も東京へ引っ越した。

 

その後、「版籍奉還」や「廃藩置県」にて藩の権力を徐々に奪っていく。

そして士農工商身分制度が廃止され、士族の身分が平等に扱われることになり、さらに「廃刀令」で刀も奪われた。

軍事面においては、徴兵令で20歳に達した男性は3年間の兵役義務を課して「国民皆兵」とした。

 

士族はその補償として国から秩禄(年金)が支給されていたが、数年後にそれも廃止され、完全にリストラされてしまった。

しかし明治維新の原動力となりながら特権を奪われた士族の不満が高まり、政界を追われていた西郷隆盛が1877年に不平士族とともに決起した西南戦争が勃発し、そして西郷隆盛が自刀し終結した。

この辺で「ラストサムライ」が居たのかな?

 

明治政府は欧米列強に対抗すべく「富国強兵」をスローガンに様々な政策を進めていく。

鉱業や造船業、製糸業で盛り上がりを見せていく。

交通網では、新橋〜横浜間で初めての鉄道が開通し、その後各所で鉄道網が張り巡らされていく。

海運は、土佐出身の岩崎弥太郎が発展させ、のちの三菱財閥を築き上げていく。

 

このように、幕末・明治維新の流れは劇的で、まったく新しい国に生まれ変わった時期なので、日本史の中でも特に注目されている。

何かを変えたい時、明治維新を持ち出して例えるのはそのせいだ。

薩長・長州・土佐の武士たちの革命はいまでも語り継がれているし、これからもそうだろう。

 

 

地図でスッと頭に入る幕末・維新

地図でスッと頭に入る幕末・維新

  • 発売日: 2020/10/21
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

 

スルガ銀行 かぼちゃの馬車事件

不動産業界を激震させた「かぼちゃの馬車」事件について詳細に語られている。まるで小説を読んでいるかのようなフィクションぽい内容だが、紛れもない事実。

 

実は僕も説明会を聞きに行った事があるし、すごく注目していた投資用シェアハウスだった。

幸いにも話は進まなかったので良かったが、いま考えるとゾッとする。

 

簡単に説明すると、上京したいと思っている地方の女性向けに作られたシェアハウスで、敷金礼金なしベッドとデスク付きの部屋が1棟14〜18部屋程度ある。

その物件費用は1億5千万〜2億円。

家賃は65000円とシェアハウスでは高め。

契約はサブリースで毎月の家賃収入は100万円、銀行への返済額が80万円。差額は20万円という仕組み。

 

運営会社「スマートライフ」は住居の提供以外に、仕事を紹介するという触れ込みで、大手人材紹介会社と連携しているとの事。

家賃以外にも人材紹介料が入るからサブリース(家賃保証)が出来るという内容。

 

例えば、想定年収300万円の仕事が決まれば、手数料30%で90万円となる。それを人材紹介会社と折半で45万円の利益となる。一人当たり45万円×14名で630万円となる。

確かに良いビジネスモデルだと思う。

 

ただし、「うまくいけば」の話だ。

 

実際には入居者も集まらないし、仕事も決まらない。そのビジネスモデルに関してはすでに破綻していた。

にも関わらず建てに建てまくって供給過剰状態を作っていた。後半は毎月50軒の建設ラッシュだった。

 

もともと不動産の実質価値の4割増くらいで売りつけていたので、その利益を関係する会社が分け合うという悪徳商法

オーナーへのサブリース代金は、家賃では全く賄えないので、建てた際の利益から捻出していたという、完全に「自転車操業」状態だった。

つまり、新規の建築が止まれば収支が回らなくなるという状態。

 

そして、ついにスルガ銀行から新規融資がストップし、スマートライフ社は行き詰まり、オーナーへのサブリース代金が払えないという事態へ。

 

その時すでにオーナーは800名を超え、物件は1000棟も建てていた。

もちろん、入居者が予定通り入っていたら順風満帆なのだが、実際の入居率は散々たるものだった。

 

オーナーは収入が途絶えたにも関わらず、毎月80万円の返済が残るという、絶体絶命の状態に陥った。

この状態を想像するといたたまれなくなる。

 

ここでこの本の主人公である冨谷氏が立ち上がる。オーナー説明会で自分のLINEQRコードを配って仲間を作っていった。

被害者同士繋がって情報共有と対処策を考えていった。

そして、運良く河合弁護士に出会い、スルガ銀行に立ち向かっていった。

 

この事件で一番の黒幕は、佐藤太治で、過去に同様の詐欺事件を起こしている。有名なのは「ビデオ安売王」というエロビデオ屋フランチャイズ展開だ。粗悪品のAVを焼き増ししてFCオーナーに売りつけて短期期間で大儲けしトンズラする。

今回のかぼちゃの馬車と同じ。

短期で利益を搾取して逃げる。

 

佐藤太治が粗悪の原因ではあるが、彼を追ったところで巨額のローン支払いは残る。

スマートライフや建築会社、販売会社らに訴訟を起こしたところで一人1000万円を取るのが関の山。

 

であれば、スルガ銀行に立ち向かい、代物弁済(返済チャラ)を目指すことにした。

訴訟を起こすと戦いの場が裁判所となり何年も何年も決着がつかず、かつ銀行側は有能な弁護士団をつけてくるから勝ち目は薄い。

であれば、白兵戦として、デモ活動や株を買って株主総会に出席して口撃、そしてメディアと世論を巻き込んで、銀行に圧力をかけていく戦術をとることにした。

 

関係した悪徳業者らには訴訟を起こすのではなく、とにかく内部情報を引き出すことに専念した。

 

そうした結果、スルガ銀行内で資料改ざんのリークが入ってくる。

融資をした横浜東口支店は、オーナーの預金残高や資産状況などを改ざんして融資申請していた。そして融資が下りれば業社より個人的にキックバックをもらっていた。

さらに融資に当たって定期預金やフリーローンを条件にしていた。これは銀行法違反である。

 

このスルガ銀行の不正情報がメディアに流れてテレビで多数取り上げられた。

被害者団は政治家にも訴えていたため、国会でもこの問題は取り上げられた。

一気に世論の風潮が変わり、スルガ銀行は株価も急落し窮地に陥っていく。

 

そこで被害者団は、株主総会スルガ銀行の岡野会長や社長らに口撃を仕掛け、風向きを変えることに成功した。

 

そして最終的に、スルガ銀行は代物弁済(借金チャラ)にすると言ってきた。

銀行相手に勝利した歴史的な快挙である。

 

見ているこっちもホッとしたし、スカッとした。

 

不動産オーナーは、多額の借金させられて物件を高値掴みさせられて、そこで出た利益を悪い奴らが分け合う。

そして収支が行き詰まれば銀行に返済するのはオーナーで、普段働いている会社員の給与から返済することに。

彼らは家族の将来のためを思って不動産投資を始めた人が多い。そんな彼らから金をむしり取る構図は良くない。ほんと悪魔のような悪徳商法だ。

 

このかぼちゃの馬車事件から学べることは、業者の言うことをまずは鵜呑みにしないこと。必ず良いことばかり言ってくるので、リスクを聞くこと、調べること。過去の実績数値を見せてもらうこと。

こういうのは大体、「早いもの勝ち」とか「順番待ち」だからとか言って購買意欲を煽ってくる。

不動産であれば物件価値(相場)を徹底的に調べる。この土地、この建物でこの値段は無いよねと、相場感を養うことが重要。

世の中うまい話は無いので、リスクとリターンは表裏一体。リターンが大きいならリスクも大きいもの。この大原則を忘れないようにしないといけない。

 

 

スルガ銀行 かぼちゃの馬車事件

スルガ銀行 かぼちゃの馬車事件

 

 

 

アドラー性格を変える心理学

ベストセラー「嫌われる勇気」の著者である岸見一郎氏の新書。

 

アドラーの引用を解説するという形式だが、少し概念的な話が多くて理解するのが少し難しかった。

やはり「嫌われる勇気」ほどの分かりやすさは編集力の賜物なんだな。対話のストーリー仕立てで作り込んだから皆んなに刺さったんだと思う。

 

今回は、印象的な部分だけ抜粋することにする。

 

  • 話を聞く時の心構え

一般的に人と言うのはどういうときに話をしようと言う気になるかと言うと、「この人は、決して自分の話を最後まで遮らない、最後まで聞いてくれる」と言う確信があるときだけ、話をします。

しかも、その話に決して評価をしない、良いとか悪いとかすぐに判断しない人だと思えたときに、「この人に心を開いていいかな」と思うのです。

 

  • 今ここに生きるとは

一緒に喜びを感じている瞬間、人は幸福であると言うことです。そういう瞬間には、過去もなく未来もなく、今、ここに人は生きられると言うこと。

 

  • すべては人間関係

人間の全ての悩みは人間関係の中にある。そして、対人関係の中にしか幸福や生きる喜びを得ることはできない。

 

  • 兄弟の性格の特徴

第一子は、何でも自分で解決しようとして、人にあまり相談しない。独断で物事を決めてしまう。人に相談するのは恥だと思ってしまうところがある。
その点、末っ子は、こんな質問したら他の人にどう思われるかなどと言うことをそれほど気にしない。そんなこと自分で考えたらいいのにと思う事でも堂々と質問する。
例えばセミナーなどの最後に質問を募った場合、第一子の場合は、質問する前に考える人が多い。「こういう質問をして、あまりに初歩的な質問だったら、その講演者、あるいは聞いている人に馬鹿にされるのではないだろうか」と、余計なことを考える。

 

  • まとめ

アドラーの基本的な考えとして、「課題の分離」と、「寄り添う気持ち」というのがある。
相手の感情に寄り添いながらも、最後に決めるのは相手自身だとして、そこは明確に切り離す。
この辺のさじ加減がアドラーの難しさであり、肝なんだと思う。