気ままに本要約ブログ

本を読んでアウトプットすることではじめてインプットできる!自分自身の為と、ブログを読まれた方へ少しでも参考になれば良いかなと思い、気ままに書評を書いていきます。

精神科医が見つけた3つの幸福

自分は「幸せになりたい」家族には「幸せになってほしい」、例外なく誰もがこんな風に思うだろう。では、幸せとなんだろう。何を持って幸せと呼ぶのだろうか。

日本人の幸福度ランキングはいつも下位の方で、主要先進国の中では最下位である。これはなぜなんだろう。日本より裕福でない国はたくさんあるのに。このあたりを紐解いていく。

 

幸福の正体は「脳内物質」

人が幸せと感じるときに、脳の中では何が起きているのだろう。脳科学的には、ドーパミンセロトニンオキシトシン、エルドルフィン、ノルアドレナリンなど、100種類以上の幸福物質が出ている。中でも代表的なのが、「ドーパミン」「セロトニン」「オキシトシン」が3大幸福物資である。つまり、脳内でこれらの幸福物資が出た状態が幸せであり、幸福物質を出す条件というのが「幸せになる方法」であると言える。

 

幸福には優先順位がある

これらの物質を端的に説明すると、セロトニン的幸福とは「健康の幸福」で、心と体の健康のこと。オキシトシン的幸福とは「つながりと愛の幸福」で、友情、人間関係、コミュニティへの所属などの幸福。ドーパミン的幸福とは、お金、成功、達成、富、名誉、地位などの幸福である。

そして大事なことは、順番を間違えないことだ。セロトニン的幸福→オキシトシン的幸福→ドーパミン的幸福の順番が正解。言いかえると、「健康」→「つながり」→「お金、成功」の順。この順番を間違えると、幸福になるどころかむしろ思いっきり不幸になる可能性がある。

 

セロトニン的幸福を手に入れる方法

心と体の健康を維持するためには、まずは「睡眠」を十分にとり、適度な「運動」を継続すること。おすすめは「朝散歩」。朝の日光を浴びながらリズムよく歩くとよい。

セロトニン的幸福とは、「BEの幸福」、つまり「そこにある幸福」である。外に出たときに青空を見上げて「今日も青空で気持ちいい」と気づくことが出来ればそれだけでセロトニンが出る。このような小さな幸せに気づき、「毎日プチ幸せな人」になれば、結果として10年後に大きな幸せを得て「幸せな人生」を手に入れることができる。

そして、「今」にフォーカスすること。多くの人は、過去を考えて後悔し、未来を考えて不安になり、自ら不幸になっている状態である。今という「刹那」を大事に過ごすこと。

 

オキシトシン的幸福を手に入れる方法

人やペットとの「つながり」を持つ、あるいは、コミュニティやグループ、部活などに所属しているなど、とにかく交流を持つこと。真逆の状態は「孤独」だ。孤独はオキシトシン的幸福を失う。オンライン上でつながることも出来るが、やはりリアルコミュニュケーションが大事。

また、仕事を辞めてリタイヤすると、人と会う機会、話す機会が激減する。そうなると脳の刺激が減り、記憶力が25%低下し、認知症リスクも大きくアップする。「生涯現役」で働くことは認知症予防になる。

オキシトシンは「共感」「信頼」「寄り添い」で分泌される。つまり、ポジティブな人間関係を構築できれば、オキシトシン的幸福は自然に得られるということ。なので、人間関係を良好にするためにコミュニケーション術を学ぶことは大事である。

なお、結婚後にうまくいく夫婦は「ドーパミン的愛情」から、うまく「オキシトシン的愛情」に置き換わっているからだ。そのキーとなるのは、「感謝」と「親切」である。お互い相手のことを尊重し続けていれば「永続的な愛」になる。

 

ドーパミン的幸福を手に入れる方法

ドーパミンには「光」と「闇」がある。「自己成長」「達成感」などポジティブな方向でやる気になっている状態が「光」である。一方、お酒やギャンブルなどの依存症のように、ネガティブなことにハマってしまう状態が「闇」である。ドーパミンは、一言でいうと「もっともっとの物質」である。ドーパミンとうまく付き合うことが、人生で成功するか失敗するかの分かれ目であり、幸せになれるかどうかの分かれ目でもある。

ドーパミンを増やすには、「ワクワク」を増やすこと。それは何かに挑戦することや、楽しいイベントを企画することでも何でも良い。自分の立てた目標にチャレンジするだけで「やってみよう!」と思って行動するだけで、結果の如何を問わず、ドーパミンは分泌される。そして、理想は仕事の中でドーパミン的幸福を感じることだ。つまり、仕事をするときに「楽しい」と感じること。そして「自己実現」と「社会貢献」が一致した状態であること。

 

幸福の掛け算

ドーパミン的幸福は逓減しやすいため「お金」や「物欲」だけで幸せになることは難しい。つまり、単にお金や成功を手にしても、ドーパミンの分泌だけで幸福の持続効果は短い。そこに「感謝」を乗せることでオキシトシンが分泌され、持続的な幸福が得られる。そしてもっとも大事なのは、「健康」な状態でなくてはならない。

だからこそ、幸せのベースは、セロトニン的幸福、オキシトシン的幸福でしっかりと築いた上で、ドーパミン的幸福は、あくまで「プラスアルファ」の付加的な幸福と考えること。「お金・成功」「つながり」「健康」という「3つの幸福」、言うなれば「すべての幸福」を得るために、幸福は掛け算する。

 

幸福は「結果」ではなく「プロセス」

「幸せ」とは、いまこの一瞬の「状態」であり、「プロセス(過程)」である。「ゴール」でも「結果」でもない。なので、「今」幸せであることが重要である。なので、「幸せになりたい・なるために」ではなく、いまこの瞬間が「幸せな状態」なのだと認識すること。