気ままに本要約ブログ

本を読んでアウトプットすることではじめてインプットできる!自分自身の為と、ブログを読まれた方へ少しでも参考になれば良いかなと思い、気ままに書評を書いていきます。

悪魔の傾聴

この「悪魔の傾聴」というタイトルは秀逸だ。近年注目を集めている「傾聴」に、「悪魔」とつけると、めちゃくちゃ興味をそそられる。

著者はノンフィクションライターで、貧困女子やAV女優、風俗嬢など、累計3000人を取材してきた実績がある。その経験をもとに、本音を引き出す「傾聴スキル」を解説している。

 

HHJの三大悪

人と会話するあらゆる場面で絶対にやってはいけないこと。それは、「否定する」「比較する」「自分の話をする」だ。相手の話の腰を折ってしまう行為で、傾聴においては、もってのほかだ。逆に言うと、これらをしないだけで、まずは合格点はとれる。

 

ピックアップクエスチョン

すでに相手が発言した単語や主旨を拾い、即時に短い質問を投げかけるテクニック。会話の潤滑油として、相手が話したいことに沿って、短く一言の質問を投げる。相手にとっては、ちゃんと聞いてもらっている確認にもなり、こちらとしては相手の興味関心や話したいことを探っていける。自分の好き嫌いや興味関心は一切関係ない。とにかく相手が話を継続できる質問を心がける。

 

座り位置を意識する

傾聴時の座り位置はとても重要である。理想の位置は、対角線上、あるいはL字に座る。理由としては、距離が若干離れるくらいが圧迫感なく、お互いに心の余裕ができ、消耗が少なく済むからだ。これがお互い正面の位置だと、沈黙の時に目線の逃げ場がなく、緊張感と圧迫で、お互いの疲弊は早くなる。相手との距離が近いのはデメリットの方が大きい。

 

傾聴にのぞむ心構え

傾聴時は、相手のリズムに合わせることが大事である。そういう意味で「ミラーリング」は必須。相手の話すリズムに合わせて、こちらも同様のリズムで話す。相手が飲み物を飲めばこちらも飲む。そして、傾聴中はメモはとらない。聞き手のリズムに相手を合わせさせることになるからだ。

 

クローズド・クエスチョンは使わない

会話の始めに「YES」「NO」で答えられるクローズド・クエスチョンを投げてしまうと、相手に高圧的な印象を与えてしまう。そして、聞き手に対して疑問符が浮かんできて、モチベーションが下がっていく。話が広がらないばかりか、尋問をされているような印象で、相手はリラックスできない。

 

欲望の断捨離

聞き手の心の中にある「相手に信頼されたい」「相手から気に入られたい」「あわよくば、友達になりたい」みたいな欲望は捨てること。なぜなら、そのような欲望がなければ、自分の話をすることもなく、どんな質問も切り出せるからだ。質問に制限をかけることもなくなる。悪魔の傾聴は、本音を引き出すことが目的だから、相手に好かれたい、信頼されたいみたいな欲望は捨てること。

 

「成長」「学び」は危険な言葉

世の中には、必ずしも成長意欲のある人ばかりではない。成長したいと思わない、学びたいと思わない人は一定層いる。いや、むしろそちらがマジョリティかもしれない。そんな中、「成長」や「学び」という意欲的な発言や発信をすると、大多数の人に圧迫感や息苦しさを与えてしまう。

 

最後に

傾聴とは「技術」であり、意識しないとできないものだ。普段の会話からこれを使うと、自分の話が一切できないため、ストレスがたまると思う。なので、傾聴を使う時は、あえて意識して使う必要がある。油断すると自分の話をし始めてしまうからだ。この「悪魔の傾聴」はプロのテクニックなので、一般の人はもっと初級編を実践する方が良いと思う。