アドラー性格を変える心理学
ベストセラー「嫌われる勇気」の著者である岸見一郎氏の新書。
アドラーの引用を解説するという形式だが、少し概念的な話が多くて理解するのが少し難しかった。
やはり「嫌われる勇気」ほどの分かりやすさは編集力の賜物なんだな。対話のストーリー仕立てで作り込んだから皆んなに刺さったんだと思う。
今回は、印象的な部分だけ抜粋することにする。
- 話を聞く時の心構え
一般的に人と言うのはどういうときに話をしようと言う気になるかと言うと、「この人は、決して自分の話を最後まで遮らない、最後まで聞いてくれる」と言う確信があるときだけ、話をします。
しかも、その話に決して評価をしない、良いとか悪いとかすぐに判断しない人だと思えたときに、「この人に心を開いていいかな」と思うのです。
- 今ここに生きるとは
一緒に喜びを感じている瞬間、人は幸福であると言うことです。そういう瞬間には、過去もなく未来もなく、今、ここに人は生きられると言うこと。
- すべては人間関係
人間の全ての悩みは人間関係の中にある。そして、対人関係の中にしか幸福や生きる喜びを得ることはできない。
- 兄弟の性格の特徴
第一子は、何でも自分で解決しようとして、人にあまり相談しない。独断で物事を決めてしまう。人に相談するのは恥だと思ってしまうところがある。
その点、末っ子は、こんな質問したら他の人にどう思われるかなどと言うことをそれほど気にしない。そんなこと自分で考えたらいいのにと思う事でも堂々と質問する。
例えばセミナーなどの最後に質問を募った場合、第一子の場合は、質問する前に考える人が多い。「こういう質問をして、あまりに初歩的な質問だったら、その講演者、あるいは聞いている人に馬鹿にされるのではないだろうか」と、余計なことを考える。
- まとめ
アドラーの基本的な考えとして、「課題の分離」と、「寄り添う気持ち」というのがある。
相手の感情に寄り添いながらも、最後に決めるのは相手自身だとして、そこは明確に切り離す。
この辺のさじ加減がアドラーの難しさであり、肝なんだと思う。