気ままに本要約ブログ

本を読んでアウトプットすることではじめてインプットできる!自分自身の為と、ブログを読まれた方へ少しでも参考になれば良いかなと思い、気ままに書評を書いていきます。

人は話し方が9割

2021年のベストセラー本である「人は話し方が9割」を初めて読んでみた。結論から言うと、至極当たり前のことが書かれている。話し方以前に人間関係の基本というか、そういう内容だった。長年売れ続けている「嫌われる勇気」もそうだが、人間関係についての書籍はよく売れるんだなあということが分かった。

 

コミュニケーションの達人だけが知っている三大原則

世の中には、すごくいいことを言っているのに、なぜか好かれない人がいる。一方で、月並みなことしか言わないのに、なぜか多くのご縁に恵まれてうまくいく人もいる。この違いは何か?

ここでのポイントは、話し方以前に「あること」を知っているかどうか。

①「人は誰もが自分のことが一番大切であり、自分に一番興味がある生き物である」②「本来、誰もが自分のことを認めてほしいし、自分のことをわかってほしいと熱望している」③「人は自分のことをわかってくれる人のことを好きになる」

想像してみてほしい。みんなで写った集合写真で真っ先に見るのはどこだろうか。そう、自分の顔だ。集合写真が手元に届いて、他人の顔を確認する人は滅多にいない。

つまり何が言いたいかというと、一番興味がある「相手自身」のことを主役にして話せば、相手は喜んで自分のことを話し、その話を聞いてくれる「あなた自身」のことを好きになる。という簡単な心理だ。

 

相手に9割しゃべらせる「拡張話法」

「拡張話法」には5つの順番がある。

①感嘆(相手の話を聞いた時に受ける感銘の表現)「へ〜!」「ほ〜!」「えー!」など、要はリアクションを大きめに取る。

②反復(相手の話を繰り返す)いわゆるオウム返し話法。相手の言葉を繰り返してリアクションする。

③共感(相手の話に感情を込めて理解を示す)「分かります」「大変でしたね」「よかったですね」など、相手の感情に寄り添う表現。

④賞賛(相手を評価する)「さすが!」「すごい!」「素敵」など、要は相手を誉める表現。

⑤質問(相手の話を中心に展開させていくためにその後を追いかけて聞く)「それで、それで」「その後どうなったの?」など、質問をして掘り下げていく。そうすると相手の話にドライブがかかる。

これら、「拡張話法」の最大の目的は、相手の話を「広げる」ことだ。ただ、話をしているのは相手だが、主導権はこちらが握っていると意識する。

 

名刺を受け取ったらすぐにしまってはいけない

名刺交換をした際に、まずは「相手の名前」を見る。そして名前を起点に話を振ると、初対面でも会話が弾みやすい。よくありがちなのは、相手の会社の住所や、相手の肩書き(部署名)を見て、そこから話を展開するのだが、それよりも相手の名前の方がインパクトが大きい。名前というのは、その人が生まれてからずっと共に生きてきたものだからだ。

そして、名前を声に出すことで、相手の名前を頭にインプットできる。名前を知ったら、すぐに名前で相手を呼び始めることが大事である。

 

相手との共通点は「食べ物」「出身地」「ペット」

初対面でも、お互いの共通点があるとすぐに会話が弾む。心理的にも、互いにぐっと近づいた気がする。そして、タブーがなく切り出せる話題としては、「食べ物」「出身地」「ペット」である。

①食べ物(好きな食べ物を聞いたり、よく行くお店を聞いたり、食べ物関連は話が広がりやすく、かつ明るく話せる話題)

②出身地(同郷でなくても、その土地に関する知識や経験談を話せば、相手は嬉しくなり自ら話し始める)

③ペット(日本はペットを飼っている人が多く、飼いたいと思っている人も多いため、誰もが共通する話題となりえる)

 

人は「笑わせてくれる人」より「一緒に笑ってくれる人」が好き

サービス精神旺盛な人は、何か面白い話をしてやろうとか、笑わせてやろうとか必要以上に力むことがあるが、実はそんなことは必要ない。自分がたくさんしゃべらなくても、流暢に話ができなくても、相手に気に入られようと無理にいい話をしなくてもよい。なぜなら、相手は「自分に共感してくれる人」を好きになるからだ。もし相手に好かれたいと思うなら、相手の話に一緒になって笑ってあげよう。そして、もっと聞かせてよというスタンスで話を聞こう。

 

「嫌われない話し方」は「好かれる話し方」以上に重要

人とのコミュニケーションにおいて、もっとも重要なことは、自ら「地雷を踏まないこと」だ。つまり、うまく話をするとか笑わせるとか、それ以前に、相手に嫌われないことだ。

自ら地雷を踏む人とはどういう人か。簡単にいうと「余計なひと言」を言ってしまう人だ。たとえば、「私ね、すごく大事にしているワンちゃんがいるの」と楽しそうに話しているにもかかわらず、「俺、犬嫌いなんだよね」と、すぐに言ってしまうような人だ。事実そうだったとしても、それを言う必要はない。ただ、「そうなんだねー」と反応するだけでよい。

 

運のいい人たちが使っている口ぐせ

日本人の一番好きな言葉は何か。それは「感謝」の言葉だ。

ビールを持ってきてくれた店員さんに「ありがとう」タクシーの運転手さんに「ありがとう」コンビニの店員さん「ありがとう」職場の人や家族、友人にも「ありがとう」

「ありがとう」「おかげさま」「感謝しています」これらの言葉は、口ぐせにしておいて損はない。そして、自分の言葉を一番よく聞くのは自分自身だ。なので、「いい言葉を口にする、口ぐせにする」ということは、精神衛生上、ものすごくプラスの効果がある。

 

最後に

この本のタイトルは「話し方」とあるが、実際には話の「聞き方」の方が大事である。そして、「心のあり方」がもっとも大事。相手の気持ちを察して、相手が喜ぶような話し方をする。それには、まず大前提として、その人と仲良くなりたいのかどうか?

もしこれが、どうでもよい相手だとすると、この本の内容の「逆」をやればよい。そうすれば好かれることはないし、相手としっかり距離を置ける。

もし好かれたいのならば、自分の話は極力抑えて、相手の話を引き出し、どんどん話させることが重要である。