世界の危険思想 悪いやつらの頭の中
丸山ゴンザレスの、世界の危ない地域を旅してきて悪いやつらにインタビューしてきた、そのまとめ本。
まず、丸山ゴンザレスがすごいと思う。海外の裏社会の領域へ踏み込めば、正直何が起こるか分からない。さらわれたり殺されたりする可能性は十分にある。それを好んで行っているわけだから、彼の頭の中も相当変わっている。
世界のなかの悪いやつら。人殺し、売春、ドラッグ、それらを厭わない。いや、むしろ、生きるためにしょうがなくやっている。
やはり根底には「貧困」がある。だから金のために仕方なくやるしかない。
本当の意味での極悪人はいない。
そりゃ誰でも楽しくハッピーに生きたいと思っているはず。お金が十分にあり、生活していくために困らない状況であるならば、人殺しなんかしないだろう。テロリストじゃない限り。
丸山ゴンザレスのように、自分で直接インタビューして体感した一次情報ではないので、その温度感はわからないのだが、本人たちは、生まれた時からその環境は無理ゲー社会であり、まともな教育は受けられず育ってきたから、その世界が当たり前になっているのだろう。
金を稼ぐために人を殺す。稼ぐために体を売る。おそらく小さい時から見てきたものを、そのまま自分もやっているだけに過ぎない。生きていくには仕方がないのだ。
いつもこんな帰結になるのだが、つくづく、日本に生まれて良かった。自分らは運が良いのだ。
学校や会社でモヤモヤがたまるストレス社会かもしれないが、そんな小さなことで悩んでいる場合じゃないよね。
世界には、生きていくために人を殺す人もいるのだから。