気ままに本要約ブログ

本を読んでアウトプットすることではじめてインプットできる!自分自身の為と、ブログを読まれた方へ少しでも参考になれば良いかなと思い、気ままに書評を書いていきます。

いまどきの「ドイツ」と「日本」

日本とドイツ、第二次世界大戦で大敗した国としてどこか親近感を感じる。世界のGDPも日本3位、ドイツ4位と似通っている。そして自動車産業が柱であることも。

そんなドイツと日本の何が違うのか。国民性や文化、そのあたりを章立ててまとめてみる。

 

働き方の違い

GDP世界3位と4位の国でも、働き方には大きな違いがある。それを表している数字がある。

「国民一人当たりのGDP」では、ドイツは10位、日本は21位。「国民一人当たりの労働生産性」はドイツ13位、日本26位。

この差は労働時間にある。日本は残業が多い。しかも、上司の手前帰りにくいという「空気」によって帰れないことが多い。要はムダな残業が多いということ。

一方でドイツは、なんで帰らないの?8時間で終わらないくらい生産性が低いの?と見られる。

そもそもドイツは法律が厳しく「労働時間法」では1日の労働時間は8時間を超えてはならない、とされている。(特別な事情の時だけ10時間)

そして、有給取得率についてもまったく違う。日本は最近やっと「年間で5日間は取らせなさい」という法律ができたが、ドイツでは言われなくても年間30日間取るのが普通。

日本は体調不良で有給取ることがあるが、ドイツではあり得ない。有給はリフレッシュするためのもの。1ヶ月間まとめて取って海外旅行に行く人も普通にいる。

その辺は社会通念的にOKなので、メンバー皆んながカバーし合うというコンセンサスが取れている。

あと、合理的なドイツでは、ムダな会議がない。日本は会議が多いし、会議に臨む前に根回しや準備に相当時間を取られる。

逆に、日本の良い面というのは、サービス業の「おもてなし」である。お客様に対しての失礼のないサービス、先回りしてあげるサービス。笑顔での接客。これは日本では当たり前だが、ドイツではそんな接客サービスはない。ドイツは「サービス砂漠」とも言われている。合理的で効率重視の考え方だから、余計な仕事はしないということだろう。

 

教育の違い

まず大きく違うのが、ドイツでは大学までの学費はすべて無料だということ。日本は小学から大学まですべて公立の場合690万円、すべて私立の場合は2033万円が掛かる。

そして、学校での教育にも大きな違いがある。

日本は正解を求める暗記教育が主流。試験もマークシート式で正解不正解が明確である。

一方でドイツは、学校の試験は論述が多い。授業の中でも、あるテーマについて議論する場を多く設ける。

歴史教育においても、ドイツはとにかくナチスヒトラーについて多くの時間を割く。他国に対してドイツがいかに酷いことをしてきたか。なぜナチスが生まれたのか。この辺の深い議論をし合う。

一方で日本は、太平洋戦争での悲惨な歴史を学ぶが、日本はどちらかというと被害者であるという立場だ。東南アジアへの侵略についてはあまり触れない。

その割に、体育祭などでは右手を上げ敬礼しながら行進して、整列すれば前にならえをし等間隔で並ぶ。そしてラジオ体操という一同に行う儀式があったり、まるで軍隊のようだ。

これ、ドイツ人が見るとかなりびっくりされるらしい。ドイツで右手を上げる行為は御法度だ。

 

社会保障の違い

まず、今回の新型コロナによる保障範囲内に大きな違いがある。ドイツは「芸術やアートは生きていくために必要不可欠である」とし、十分な保障をした。日本はそれらを「不要不急」と呼んだ。

その他、男性の育児参加を促すために手厚い保障をつけたり、そもそも出産費用は無料だったりする。とにかく子供に関する保障が手厚い。安心して子供を産める国だと言える。

移民に対しての考え方もまるで違う。ドイツは少子化による労働力を補うため半世紀前から移民を積極的に受け入れている。とりわけ難民の受け入れに関しては世界一レベル。

一方、同じく少子化問題を抱えている日本も、労働力をカバーしないといけない。だが、日本は移民に対して超ネガティブなので、「移民と呼ばない移民制度」として「技能実習生」という制度を作った。これの大義としては、「技能」を「実習」させてあげ、帰国後国でその技能を活用してほしいというものだ。でも実質的には、単なる安い労働力としての移民に過ぎない。いや、むしろ低賃金、重労働なので、「奴隷」と言っても過言ではないレベル。特に第一産業なんかは彼らがいないとやっていけない状態になっている。

労働力という意味においては、日本の「ひきこもり」問題も深刻だ。政府の調査では、半年以上家に引きこもっている人がおよそ100万人いるとのこと。100人に1人がひきこもりという異常事態。

とりわけ、中高年のひきこもりは深刻だ。80歳の親が50歳の子どもの面倒を見るという状態。いわゆる「8050問題」

行く果ては、生活保護しかない。