自由すぎる公式SNS「中の人」が明かす企業ファンの作り方
企業のSNS活用は機が熟してきた感がある。Facebook、Instagram、Twitterと、企業の公式アカウントは当たり前のようにある。
ただ、フォロワーを集めている企業は多くはない。企業公式アカウントでフォロワー集めるのは難しい。
それはなぜか。
企業は基本的にPR(売り込み)のためだからだ。SNSの住人は特に売り込みを嫌がる。コミュニケーションを楽しんでいるのに、その間に割り込んで企業PRされると大抵嫌がられる。
だから、実は企業公式アカウントでSNSの世界に浸透していくのはなかなか難しい。
そんな中、うまく浸透させてフォロワーを集めている企業もある。
この中に出てくる成功例としての企業は誰もが知っている企業がほとんどなので、認知度という意味ではそもそもアドバンテージがある。
ただ、逆に、変な投稿は出来ない。大企業としての情報発信だから、NGワードは出せないし、私見として意見は言えない。
特に、5S(政治・宗教・差別・スポーツ・セクシャル)ネタは避ける方が無難。
この本ではTwitterに特化した事例ばかりだったが、やはり一番効果的なのだろうか。
インスタのように画像だけでなく、テキストでしっかりと伝えられる点と、Facebookのように長い文章ではなく、140文字以内という気軽に読める媒体がちょうど良いのかもしれない。
もう一度言うが、SNSで直接商品を売ったり、売上げに直結させることは難しい。なので、「目的」をはっきりさせる。
SNSをやる目的は、「ファンを増やすこと」である。出来るだけ多くのユーザーに企業を知ってもらい、認知度を上げること。要はテレビCMと同じことだが、CMのように一方通行で発信するのではない。
ファンを集めるためには、「双方向のコミュニケーション」が大事。
つまり、投稿するだけじゃなく、「いいね」「リプライ」「リツイート」これらをマメに行うこと。
そうすることで、ユーザーとつながりができ、フォロワーが増えていく。
この地道な作業が大事なのである。
ここで、東急ハンズの企業アカウントの作法10ヶ条を紹介する。
- 定期的に時間を決めて、お決まりの投稿をする
- 臨場感のある投稿をする
- 自分のキャラを無理に隠さず自然体で投稿する
- 自社にまつわるキーワードをエゴサーチして、面白いものには積極的に返信する
- 投稿内容が偏らないように心がける
- 相手の方に合わせ、会話の流れを壊さない
- 自分では解決できない・わからない質問は、必ず該当の窓口や最寄りの店舗を紹介する
- SNSでのコミニケーション・ルールは店頭での接客と同じ
- メンションやコメントには出来る限り返信する
- 企業アカウントは凹んではいけない
どんな企業においても、「2割のファンが売り上げの8割を支える」というパレートの法則が当てはまる。
つまり、2割のファンをいかにグリップ出来るか。これが重要となってくる。
そして、ファンは理屈で好きになるのではなく「感情」で好きになるもの。
だから、「共感」「愛着」「信頼」という感情を高めていく事が重要である。