地図でスッと頭に入る幕末・維新
幕末・維新とは、およそ20年の間繰り広げられた、坂本龍馬、西郷隆盛、高杉晋作、吉田松陰、桂小五郎、勝海舟、新選組、動乱の世を駆け抜けた英傑たちのドラマである。
1853年、ペリーの黒船が浦賀に来航するところから始まり、そして1877年、最後の内戦である西南戦争の終結によって激動の時代にピリオドが打たれる。
黒船により鎖国が解除され、外国の侵入に対抗する「尊皇攘夷」派である長州藩がアメリカなど四カ国軍へ攻撃を仕掛け、さらには幕府にも牙をむく。
薩摩藩はイギリスと戦い、最新鋭の武器の凄さを知り武器を仕入れていくことに。
幕府を追い詰め、坂本龍馬の船中八策により慶喜将軍に「大政奉還」をさせ、政権を天皇に返納させた。そして「王政復古の大号令」で完全に政権を奪取する。
勝海舟と西郷隆盛の話し合いにより江戸城を無血開城させて慶喜を故郷の水戸に退ける。
そこから幕府の残党たちと戊辰戦争が開始されるが、1年半でピリオド。新政府の勝利で終わる。
明治政府は、幕府時代の地方分権から中央集権制へ変えていく。
当初の中央政府の首脳は、薩摩・長州・土佐・肥前の出身者に限定されいた。
江戸から「東京」に改称し、元号も天皇一代につき一つの「一世一元制」にし、首都を東京とし、天皇も東京へ引っ越した。
その後、「版籍奉還」や「廃藩置県」にて藩の権力を徐々に奪っていく。
そして士農工商の身分制度が廃止され、士族の身分が平等に扱われることになり、さらに「廃刀令」で刀も奪われた。
軍事面においては、徴兵令で20歳に達した男性は3年間の兵役義務を課して「国民皆兵」とした。
士族はその補償として国から秩禄(年金)が支給されていたが、数年後にそれも廃止され、完全にリストラされてしまった。
しかし明治維新の原動力となりながら特権を奪われた士族の不満が高まり、政界を追われていた西郷隆盛が1877年に不平士族とともに決起した西南戦争が勃発し、そして西郷隆盛が自刀し終結した。
この辺で「ラストサムライ」が居たのかな?
明治政府は欧米列強に対抗すべく「富国強兵」をスローガンに様々な政策を進めていく。
鉱業や造船業、製糸業で盛り上がりを見せていく。
交通網では、新橋〜横浜間で初めての鉄道が開通し、その後各所で鉄道網が張り巡らされていく。
海運は、土佐出身の岩崎弥太郎が発展させ、のちの三菱財閥を築き上げていく。
このように、幕末・明治維新の流れは劇的で、まったく新しい国に生まれ変わった時期なので、日本史の中でも特に注目されている。
何かを変えたい時、明治維新を持ち出して例えるのはそのせいだ。
薩長・長州・土佐の武士たちの革命はいまでも語り継がれているし、これからもそうだろう。