絶対に挫折しない日本史
古市氏がサピエンス全史を読んで、同じように日本史を解説したいという事で作られた本。
人類の誕生、日本の誕生から始まっていて、本の半分くらいで現代まで到達する、かなりダイジェスト的にまとめられている。
でも日本史というのは、やはり映像が浮かぶ戦国時代から江戸時代、そして明治維新から世界大戦。
そして敗戦後の日本の高度成長期、バブル崩壊からの失われた30年(平成時代)といった流れしか自分の中に入ってこない。
弥生、縄文時代、邪馬台国や平安時代とか、なかなか映像として頭に浮かんでこない。しかも生活が現代とかけ離れていてピンと来ない。
なので、この中で一番興味が湧いたのは、やはり明治から大正、そして戦争までかな。
日本がヨーロッパの国々と同じように国防のために植民地を増やしていく流れで、台湾や朝鮮、フィリピンなどに進出した。
「極東の島国」から「海の帝国」になっていった時期。
そして沖縄や北海道を日本に取り込んだのもこの時期。沖縄なんかは国防のために日本に都合良く使われた歴史がある。
そして第二次世界大戦だが、当時の日本は財政的に相当厳しくて、アメリカに勝てる見込みは薄かった。
要は、負ける可能性が高い中で、それでも「開戦」に踏み切るしかなかったらしい。それが当時の日本国民に対して公式に反対できない「落とし所」だったとの事。
空気的に、負ける前から敗北宣言(戦争回避)はできない、そのような意思決定がなされて悲劇を生んでしまった。
ただ、敗戦後のその後の日本の奇跡的な成長は本当に凄いと思う。
アメリカの支援がとても大きかったが、いろんな幸運も重なっていた。
コストがかかる植民地は手放す事になり、それらの国からも賠償権は放棄してくれた。
よって、日本は自国の成長のために全力で集中出来た。
あと、戦争の前に作られた制度(年金などの社会保障制度や源泉徴収制度)も、現代まで利用されており、国民を統治する制度としても機能していた。
日本人が外国人に対して日本の歴史を語る時、最低限話せなきゃいけないところは、やっぱり明治以降何をやって来たかだと思う。
東アジア諸外国(特に韓国や中国)に対して、酷いことをしてしまった事や、逆に支援してきた事もある。
その辺をもっと詳しく押さえておきたいな。