データの世紀
全体的に個人情報(ビッグデータ)とプライバシー問題の両面についてまとめられていた。
第0章として「リクナビ問題」を取り上げていたのが興味深かった。
ニュースで見たくらいで詳しくは知らなかったのだが、要は学生の志望や行動履歴から得たデータ(辞退率)を、学生の了承を得ずに企業に売っていたのが重大な罪だったと。
テクノロジーの発達により便利な機能が溢れかえっている現代では、細心の注意を払わないと大きな代償として返ってくるということ。
あのリクルートですらこんな事をやってしまうのだから、正直中小企業なんかの情報管理はユルユルな気がする。
あと他には、GAFAはデジタル企業のためネットを通じて世界的にサービスを提供しているので、拠点をほとんど持たずに高い利益を上げてきたが(タックスヘイブンを使う節税策)、ここに来て世界的にデジタル課税を厳しくしてきている。
今後は税金逃れは難しくなるだろう。日本においてもAmazonやGoogleがすでに本来の法人税を納め始めている。
また、個人情報の収集においても今後は厳しくなる。EUでは世界で最も厳しい個人情報保護の規制を作りGoogleやFacebookに対し多額の罰則金を要求している。
今まで、Cookieは個人の情報は含まれていない為に抜き取られ放題だったが、EUの新法では「Cookieは個人情報」とされ、今後は個人の了承なく抜き取ると違法になる。
広告収入を基盤にしている両巨人は今までのようにはいかなくなるだろう。
IT技術の発達によって、個人レベルでみるとすごく便利な世の中になってきたと実感するのだが、だからこそフェイクニュースやターゲティング広告に踊らされることなく、しっかりと自分で判断することがとても大事である。
あとは人それぞれのトレードオフだと思う。
例えば、Cookieや位置情報を許可しないでインターネットを利用しても、受けられるサービスは限られてくる。わざわざ便利な機能を自らシャットダウンするようなものだ。
かと言って何も考えずアクセスを許可しまくっていると、思わぬところで足をすくわれる。
今後はインターネットとは切っても切り離せない世界になるので、情報弱者にならないよう各々勉強する必要がある。