業界破壊企業
GAFAに続けと、世界中にイノベーション企業が乱立している。
それらをアメリカのニュース番組がランキング化した上位50社を「ディスプラー(破壊者)50」と呼ぶ。
ラインナップを見るとほとんどがアメリカ企業だけど。
それらディスプラー企業(イノベーション企業)の特徴をまとめてみる。
・プラットフォーム型ビジネス
お互いのニーズをマッチングさせるプラットフォーム。中間業者を中抜きすること。
ユーザーの体験自体は変わらないが安く利用できる=「価格破壊型」例えばUber
ユーザーに新しい体験を提供する=「価値創造型」例えばAirbnb
一方でプラットフォーム型ビジネスの難しさとは、需要サイドと供給サイドのバランスを合わせなければいけないこと。両サイドのボリュームを合わせるのが難しい。
いわゆる「鶏と卵問題」である。
・ビジネスモデル型ビジネス
①顧客の特化
性別、年齢層などターゲット層を絞ること
②顧客体験のシンプル化
複雑なものをシンプルにして提供すること
③コストのフリー化
フリーミアムでユーザー数を確保する
④コストのサブスク化
月額利用料で導入ハードルを下げる
・テクノロジー型ビジネス
他社が真似できないような技術による事業革新。それだけで業界を破壊するインパクトを持ち、ビジネスの優位性を発揮していくわかりやすいイノベーション。
例えばポケモンGOで話題になったAR(拡張現実)。実際の世界に架空のモノを映し出す技術。
その他の特徴としては、
・ミレニアム世代
1980年以降に産まれたの若い世代の起業家がとにかく多いのが特徴的。
持続可能な事業という意味で、国連が主導するSDGsの影響を受けている。地球人環境保護、エネルギー問題などを解決していく地球に優しい事業。
無駄なく小さく始めること。
最初は最小限の機能でお金をかけずに小さく始めて、大きく育てていく。
ここで一つ警鐘を鳴らしているのが、WE WORK問題から見える投資額の大きさである。
世界に急拡大させているいわゆるシェアオフィスなのだが、世界の主要都市の一等地ばかり借りていて、さらに内装がゴージャスなため工事費がものすごくかかる。
上場前に赤字額が半端ない額だったことで、企業価値が5分の1になったあげく、上場も延期になった。
投資しているソフトバンクは助けるために追加投資をして合計2兆円もつぎ込んでいる。
かなりリスクを抱えた状態である。
このように、拡大を急いだあげく巨額な投資が必要となってくる。これでは破綻した時のインパクトが大きいし、何より企業価値が時価総額などの金額的な大きさを求めることになってしまう。
これはバブルを生み、そしてはじける序章になってしまう。
そこで著者は、これからは「ハッピーイノベーション」の時代へ突入すると言っている。
価値基準は、世界を変えることから、「自分が夢中になること」へ。
経済的成功よりも「自分のワクワクや人の笑顔」を求める。
組織は大きくせず「フラットなスモールチーム」で
「資金は必要最小限」で小さく始めて自然に成長させる。
そんな事業家が増えてくれば良い世の中になっていくだろう。