気ままに本要約ブログ

本を読んでアウトプットすることではじめてインプットできる!自分自身の為と、ブログを読まれた方へ少しでも参考になれば良いかなと思い、気ままに書評を書いていきます。

amazonのすごい会議

アマゾン流会議の極意。ベゾスが効率化を追求して研ぎ澄まされた会議。「意思決定会議」「アイデア出し会議」「進捗会議」と、それぞれの目的にあった手法をとる。

 

会議は沈黙から始まる

「意思決定会議」の場合には、冒頭、用意してきた資料をまずみんなで読み込む。10分〜15分、黙って最後まで読み込む。それから議論に入る。資料の中で気になる箇所をチェックし、提案者に質問をしていくスタイル。もし、内容に全て理解し承認された場合は、何も質問がないまま承認される。

 

パワーポイントは不可、文章で書く

アマゾンでは、会議資料はワードで作成する。パワーポイントは禁止だ。なぜなら、その場で読んですぐに理解できる「文章」で書くことが必須となっているから。パワポや、箇条書きで作られた資料は、行間を読むことで、人によって「解釈の違い」が生じやすいからだ。

そして、文章で書かれた資料も、2種類のみ。「1ページ」か「6ページ」のみ。簡単な企画は1ページでまとめ、大がかりな企画は6ページ。

 

出席者の数の上限は「ピザ2枚分」

「アイデア出し会議」は「ピザ2枚チーム」(ピザを2枚食べ切れる人数、通常6〜8人程度)で行う。大人数であれこれ議論しても何も解決しない。その問題に対応できる人たちで話した方が効率的である。

 

すべて顧客ファーストで考える

アマゾンでは、お客様が大切だという目線ですべての物事がスタートする。会議においても、顧客第一主義で議論する。「それって本当にお客様のためになるの?」という言葉が頻繁に飛び交う。たとえば、お客様への納期時期が多少遅くなるとしても、会社の利益が20%上がる打ち手があったとしても、アマゾンでは即刻却下される。お客様に迷惑をかけたり、お客様を犠牲にしてまで利益を拡大することは断じて許されない。

 

最後に

日本の多くの企業は、会議をすることが目的になっている。やたら大人数で行われたり、座談会みたいにダラダラ行われたり、ムダが多いのが日本企業の特徴。会議は、上司が自分の権力を誇示する機会でもある。だから、部下をやたらめったら集めて会議をしたがる。

日本は、ホワイトカラーの生産性が悪いと言われているので、大手外資系の会議手法を取り入れてみてはどうだろう。

 

 

 

 

医療貧国ニッポン「より手厚く、より安く」が日本を滅ぼす

日本の医療を語る上でまず押さえておかなくてはいけないのは、このままでは「立ち行かなくなる」ということだ。

医療費の自己負担は3割(高齢者は1〜3割)で、あとは税金や勤め人の保険料から賄っている。安く受診できるとなれば、気軽に通えてしまう。とりわけ高齢者にとっては、病院はサロン状態だ。

一人あたりの年間医療費でみると、65歳未満では19万1900円なのに対し、65歳以上になると75万4200円と4倍に跳ね上がる。超高齢化社会の日本においては、医療費が逼迫する一方である。

なお、日本の国民皆保険がスタートしたのは1961年で、その当時、高齢者一人を支える現役世代は11.2人。しかし、2040年には一人の高齢者を1.5人の現役世代で支えなければならない。

医療費が安いから気軽に通えてしまう上に、病院側も、診療費を稼ぐために「念のため検査」をしたり、「不要な薬」を出したりする。そして検査入院させて病床を埋める。入院日数も長い。

こんなふうに、念のための不要な診療があふれかえっているから、雪だるま式に医療費が膨らむのだ。なぜそうなるのか?そう、医療費が安いからだ。自分で負担するのは1〜3割だけで、それ以外は他人のお金だと思えば得した気がする。保険料だけ納めて病院に行かないのは、損している気がして、自分も受診しなきゃ損みたいな力学が働いているのではないか。

また、日本の医療制度は「フリーアクセス制」により、患者自身が自由に病院を選べるシステムだ。これにより、病院やクリニックには競争原理が働く。つまり、不要だとわかっていても、薬を出さないということはない。「あのクリニックは薬を出してくれなかった」などと噂され、患者さん離れを起こしてしまうからだ。

あと、フリーアクセスにより、もう一つ問題がある。大病院の待ち時間が長くなることだ。その日に受診者がどれくらいやって来るのか、予測がつかないからだ。患者の方も、なんとなく大病院の方が安心だという「大病院志向」の人が多いためだ。

日本以外の先進国で採用しているのは、いわゆる「かかりつけ医」制度だ。それは、GP(ジェネラル・プラクティショナー)と呼ばれる、総合診療医だ。GP発症の国イギリスでは、居住する地域の診療所でGPに登録することが義務化されている。なので、体調が悪くなれば、まずはGPに診てもらい、その後GPの紹介で専門医療機関を受診する。この流れが欧米を中心に多くの国で行われている医療機関へのかかり方である。なお、自分のヘルスデータはすべてGPのところに届き、患者の予後の体調管理や薬の処方などもGPが行なっている。

では、日本はなぜこのような制度が採用できないかというと、民間医療機関の比率が多い(8割)からだ。そして、患者が自由に医療機関を選べるフリーアクセス制だからだ。まさに鶏と卵で、民間が多いからGP制がとれない。GP制がないから民間が多くなる。なお、欧米ではほとんどが国営医療機関なので、このようなシステムが可能なのだ。

さて、仕組み上、構造上、医療費がかさばることはわかったが、やはり一番重要なのが、一個人の「ヘルスリテラシー」だ。本来、自分の身体のことは自分が一番よくわかっているはずなのに、盲目的に医者の言うことを鵜呑みにするのは良くない。たとえば風邪をひいた時は、薬なんてなくても自然治療で治る。薬をもらいに行くために病院に行く必要はない。

日本人のヘルスリテラシーが低い理由は、手厚い医療が安価で受けられるという日本の国民皆保険があるからとも言える。これ自体は素晴らしい制度なのだが、しっかりとした財源が確保できていればこそだ。もうすでに逼迫している医療費だが、これからますます厳しくなる。

もしアメリカみたいに医療費が猛烈に高い場合、風邪でクリニックにかかるだけで数万円かかり、もし手術することになれば、100万単位の金額がかかるとなれば、今みたいに気軽に病院に行けないだろう。こうなれば、もっと予防医療に力を入れるだろう。日本は医療費が安いから、予防に対してインセンティブが働かない。

最後に、日本の長寿化による「2025年問題」というのがある。これは、団塊世代の始まりである1947年生まれの人たちが後期高齢者を迎えるため、医療費がいまよりもぐっと負担が増える。そして、医療技術の進歩により、平均寿命は今よりも延びるだろう。つまり、長生きするご老人の数がめちゃくちゃ増えるため、いまの国民皆保険制度ではやっていけなくなるということだ。当然、医療の自己負担率は上がり、保険負担率も上がるだろう。

すでに国費の3分の1を占める社会保障費が、これからますます必要となってくる。この大問題には、国民一人一人が向き合っていく必要がある。

 

 

 

映画を早送りで観る人たち

最近、ちょくちょく聞くが、映画やドラマを2倍速などの早回しで観るといった人がいる。ニュースなどの情報番組なら分かるが、娯楽で観るコンテンツを早回しするなんて、到底理解できない。

がしかし、一定数は早回しで観ている人がいるというのも事実。そのあたりを解明していきたい。

 

ネトフリ、アマプラの影響

まずは環境面の変化からだ。一番大きな影響といえるのは、NetflixAmazonプライムの登場である。月額500円〜1000円程度の定額で、映画やドラマが見放題になったことだ。少し前まではTSUTAYAなどのレンタルショップで一本数百円で借りていたが、もうそんなことする必要はない。ほぼ無限に観られる環境が整ったからだ。昔、映画館に行かなきゃ観られなかった時代からすると、とんでもない時代になったものだ。

つまり何が言いたいかというと、ひとつひとつの映画やドラマの価値が下がったということだ。ひとつひとつの作品で数百円支払う必要はない。何本観てもコストは変わらない。ほぼ無限に観られるということは、どれだけ時間があってもすべての映画は観れない。逆にいうと、面白くない映画に時間を費やしたくない。その時間がもったいないと感じる。だから平気で早回しするし、すっ飛ばして最終回だけ観るのだ。

 

スマートフォンの影響

ネトフリ、アマプラの登場と同じく、スマートフォンの登場によって、映画やドラマの見方が大きく変わった。まず、TVというデバイスで観なくなったこと。そして、家族みんなで同じ番組を観るということも無くなった。一人ひとりに閲覧できるデバイスが与えられたからだ。何なら外出先でも観れるし、通勤時の電車の中でも観れる。

そして何より、早回し(倍速)機能はスマートフォンに実装されているからだ。TVにUSBを挿し込んで観るAmazonFireStickには早回し機能はない。つまり、早回し勢は、スマートフォン(パソコン、タブレット含む)で観る人たちなのだ。

 

早く答えを知りたい

早回しで観る人たちは、主にZ世代の若い人だが、彼ら彼女らは、いわゆるスマホネイティブ、SNSネイティブ世代だ。何か知りたいことがあれば秒で検索して答えを知る。そんなことは呼吸をするくらい当たり前だ。なので、映画を観る際も、あらかじめあらすじを知ってから観たいし、何なら最初に最終回を観て結末を知ってから、最初から観る。つまり、早く答えを知りたいのだ。もどかしい時間はいらない。モヤモヤした状態で観たくない。最初にハッピーエンドを確認したい。もちろん全員が全員そうではないが、Z世代の多くはそんな人たちだと思う。

 

コスパ(タイパ)を求める

2時間の映画を1時間で観る人たちは、時間を無駄にしたくない。いわゆるタイムパフォーマンス(=タイパ)を大事にしている。もし、面白くない映画を2時間かけて観た場合には、なんてもったいない時間を過ごしてしまったんだと後悔する。現代人は忙しい。無料で楽しめるコンテンツが溢れているし、友達とは常時SNSでつながっている。ちんたら2時間もかけて映画を観ているヒマはない。こんな感覚なのだと思う。

 

鑑賞と消費(情報収集)

ここが最も重要なポイントだが、映画を鑑賞するというより、情報収集のために消費しているという感覚。食事でたとえると、「鑑賞」は食事自体を楽しむということ。会話をして、料理を味わって、美味しい美味しいと言って食べる。一方、「消費」は単に栄養素を摂るだけの、機能的な意味をなす。

つまり、映画を早回しする人は、単にストーリーを知って、消費するだけ。この映画観た、知ってるというものが欲しいだけ。友人の話題に入っていけるネタが欲しいだけなのだ。

 

LINEグループの共感強制力

そういう意味では、SNSネイティブ世代は常に友達とつながっているから、話題に事欠かない。あれ観たこれ観たと、情報収集のための映画鑑賞を常にしていないと、話についていけない。話題になっている映画やドラマを表面上だけでも知っておかないと、グループからハブられる。そんな「共感強制力」が働いているのではないか。

 

まとめ

以上のことから、映画を早回し観る人たちの理由が少し分かった気がする。外部環境的な要因、そして現代人の趣味嗜好や文脈。時代は大きく変わったのに、映画は相変わらず2時間の尺で作られている。むしろそちらの方がアップデートしていかないといけないのかもしれない。

 

 

 

 

人を操る禁断の文章術

メンタリストDaiGoの文章術伝授本。

文章とは、読まれるために書くものではない。行動させるために書くものだ。

つまり、文章のたった一つの目的、それは「今すぐ人を行動させること」である。

 

書かない3原則

原則1「あれこれ書かない」

人は、受け取った情報が足りない時は、想像や予測で判断する習性がある。その想像や予測は何に基づいているのかというと、その人の「知識」と「体験」、つまり「記憶」である。

文章を書くときに、あえて情報量を少なくすることで、読み手の想像力を利用することが出来る。

 

原則2「きれいに書かない」

端的に言うと、感情を揺さぶるような文章を書け!ということ。人は「論理」ではなく「感情」で動くもの。

当たり障りのないきれいな文章を書いても相手の心に刺さらない。稚拙な表現でもよいので、相手の興味関心に刺さるような文章を書く。

 

原則3「自分で書かない」

文章は自分で考えるのではない。書くべきことは相手の心の中にある。人の心を揺さぶる文章を書きたいなら、自分の頭の中を探る時間は最小限にし、それを読む人たちのことを調べた方がよい。刺さる言葉は、相手の心の中にある。

 

感情を揺さぶり、人を行動に駆り立てる7つの引き金(トリガー)

トリガー1「興味」

相手の興味関心事を読みとり、そこを起点に文章を展開する。すでに何度かメールのやり取りをしているならば、過去のメールを振り返れば、相手の興味のヒントが落ちている。何度か会ったことがある人なら、相手が話していた内容が手がかりになる。なるべく逃さないようメモを取ることが大事。

 

トリガー2「ホンネとタテマエ」

誰もが少なからず使い分けている本音と建前。その間にあるのは、理想(こうありたい)と現実(こうあるべき)の狭間で揺れる感情だ。このギャップが大きくなればなるほど、その人を動かす強いエネルギーになる。

理想に気づかせて、行動したくなるスイッチを押す。

 

トリガー3「悩み」

人の悩みは4つだけ。

Health 健康、美容

Ambition 夢、将来、キャリア

Relation 人間関係、結婚、恋人、会社

Money お金

この「HARM」に「世代」をかけ合わせると、より悩みの「解像度」が上がる。

 

トリガー4「ソン・トク」

まず、全人類が共通する「自分が得するよりも損することを嫌がる」という心理がある。騙されたくない、失敗したくないという心理を回避するには、正直にデメリットを書き、そのデメリットを上回るメリットで締めくくる。そうすれば、信頼を得られる。

 

トリガー5「みんな一緒」

みんながしていることは正しい。つまり、社会心理学用語で言うと「社会的証明」である。

憧れの人が使っていると欲しくなったり、あるいは、自分だけ乗り遅れるかもしれないという恐怖が人を駆り立てる。

 

トリガー6「認められたい」

これも、誰もが持っている「承認欲求」という強い感情。たとえばお礼の文章に、「初めてです」や「変わりました」を盛り込み、相手の承認欲求をくすぐると相手は必ず喜ぶ。そしてこちらのお願いも聞き入れてくれ易くなる。

 

トリガー7「あなただけの」

たとえば、「〇〇さんだけに、先に伝えておくね(特別感)」と書き出しつつ、終わりに「まだ部長にも報告していないから内密に(希少性)」と盛り込めば、内容はどうあれものすごく貴重なものに感じられる。

商売の実践例としては、「限定販売」や「在庫僅少」、「本日限り」などの限定セールがある。

 

5つのテクニックに従って書く

テクニック1「書き出しはポジティブに」

これは「初頭効果」と呼ばれる心理で、初対面の印象は7秒で決まり、半年間持続すると言われている。これを文章でも応用する。いわば書き出しは、文章の初対面である。

 

テクニック2「何度も繰り返す」

同じ「意味」と「感情」を、文章の中で“言葉を変えて”繰り返す。これは、刷り込み効果により説得力が増していく手法。ただし「同じ言葉」を3回以上使うことはNG。飽きてしまうからだ。

ポイントは、「表現を変えて」10回繰り返すこと。それだけのバリエーションを持つことが大事。

 

テクニック3「話しかけるように書く」

人は文章よりも会話の方が内容を覚えやすい。話しかけるように書くコツは、読み手の疑問や反応を取り込んで書くことである。

文章は会話をするように一人二役で書くこと。

 

テクニック4「上げて、下げて、また上げる」

書き出しはポジティブに書き、上げるのだが、途中で一度落とすことで、感情の起伏が大きくなり感動が高まる。ジェットコースターのように感情を揺り動かすことで、相手は文章の「結論」により、大きなワクワク感を覚える。大ヒットする映画や小説は、たいてい「上げて、下げて、また上げて」というふうにデザインされている。

 

テクニック5「追伸をつける」

実は、あらゆる文章の中で人が最も読み、心に残るのは追伸部分だということがわかっている。これはなぜかというと、「人間は、達成した課題よりも、達成されなかったことや中断されていることをよく覚えている」という記憶の仕組みがあるからだ。これを「ツァイガルニク効果」という。平たく言えば、「まだ続きがあること」の方が強く記憶に残るという現象である。

 

まとめ

文章とは、ただ書くものでも、読まれるだけのものではない。読み手を行動へと導いてこそ、初めて存在価値がある。

読み手の想像力を刺激して、感情を揺さぶり、行動を誘導する文章術。これこそがメンタリズム文章術である。

 

 

 

 



日本のタブー3.0

大手メディアが報じない日本のタブーをまとめた本。各ジャンルがあるので、気になった章だけ抜粋する。

 

新型コロナウイルスワクチン

新型コロナウイルスのワクチンは、世界的にみて、ファイザーとモデルナのmRNAワクチンが制した格好だ。インフルエンザでは50%の発症予防効果が、95%という驚異的な結果を出して、テレビでは多くの専門家が接種を進めていた。

しかし、実際にはウイルスの変異により、感染予防効果は薄れていった。国民の7割が2回目の接種を終えれば、集団免疫を獲得して、感染が収束してコロナ前の日常が取り戻せると期待していたが、実際そうはならなかった。デルタ株は2021年秋くらいから抑えられたのだが、オミクロン株に変わり、新規感染者数は桁違いに増えていった。

がしかし、感染者数は増えても「重症者数」は比例して増えなかった。つまり、ワクチン効果により、感染はするが重症はしないということが証明された。

結果的に、ワクチンを接種したおかげだよね、ということなのだが、両手をあげて喜べることだけではない。厚生労働省がワクチン分科会予防接種副反応検討部会で公表した統計によると、2021年2月から11月までに報告された接種後の死亡は、1387例、重篤となった事例は5931例にも上っている。もちろん、ワクチンが直接的な原因とは言えないし、そもそも、コロナ前から毎月10万人以上の死亡者がいるので、割合としては小さなものだ。ワクチンを打たずに感染し重症化するリスクと、ワクチンを打って重篤化するリスクを比較した際に、どちらがリスクが低いかというと、やはりワクチンを接種した方だろう。

ただ一点だけ、子供や若者は例外かなと思う。10代、20代が新型コロナウイルスで重症化したり、死亡したりするリスクは極めて低い。しかしながら、ワクチン接種後の死亡例としては、10代が5例、重篤は296例、20代の死亡は15例、重篤は658例にも及んだ。ここは気がかりではある。

毎シーズンおよそ5000万回接種で、年平均10例しか接種後死亡が報告されていないインフルエンザワクチンと比べると、異常に多いことは明らかだ。

ただ、個人的には、このmRNAワクチンは、最初の発症からから1年以内に完成させ、実際に世界中の人が接種できたというのは革命的なことだと思う。

 

脱炭素社会の罠

世界的な脱炭素の流れにより、日本も追随せざるを得ない状況だ。前菅総理は、2050年までにカーボンニュートラル実現を目指すと宣言した。この宣言以来、日本企業は一斉に製造過程などで出るCO2削減対策に舵を切り始めた。

そのためには「再生エネルギー」と「EVシフト」がキーとなる。そして、それはすなわち、中国に富が流出するということだ。

太陽光パネルの製造は、コスト競争に勝る中国企業の世界シェアが7割を占めている。日本のシェアはわずか0.3%だ。

EV用リチウムイオン電池においても、中国最大手のCATLが世界トップ25%のシェアを握り、ほかにBYDなど中国企業5社で世界シェアの実に40%を占める。かつてEVリチウムイオン電池の分野で世界トップに君臨したパナソニックは世界3位に落ちている。

ちなみに、米中貿易摩擦と言われているが、EVやエネルギーにおいては、米中は非常に密接につながっている。たとえば米国のGMは、中国の自動車メーカーと合弁会社を作り、48万円という格安EVを中国で販売している。お馴染みのテスラ人気もあり、一大EVブームを巻き起こしている。

エネルギーにおいても、中国は米国のLNG液化天然ガス)を大量に輸入している。LNGの販売先を拡大したい米国と、クリーンエネルギーとしてLNGを利用したい中国の思惑が一致し、数百億ドルとも言われる取引が成立した。

日本は、もともと太陽光パネルリチウムイオン電池の先駆者だったにもかかわらず、どちらも中国に世界シェアを持っていかれている。EVにおいても、世界に先駆けて日産が「リーフ」を発売したのだが、気がつけば世界トップはテスラが君臨している。

そして、国の財政支援も桁違いだ。米国では消費者への購入補助金などEVの振興に1740億ドル(約20兆円)を投じているが、日本は375億円と、2ケタ3ケタもスケールが違う。

 

死刑制度

死刑は「残虐な刑罰」であるとして廃止する国が増える中、米国はバイデン大統領が連邦レベルでの死刑執行を停止させた。つまり、日本は先進国において「唯一の」死刑存置国になりかねない状況だ。

しかし、そんな状況下、日本国内では死刑存廃についての議論が活発化しないどころか、そもそも関心を持つ人が極めて少ない。

そんな死刑制度だが、問題点がいくつかある。まず、死刑執行の決裁者たちは、死刑執行の可否について何も検討せずに1日で手続きを終えることだ。つまり安易すぎることだ。

そして、死刑執行に責任のある立場である、法務省事務次官、刑事局長、官房長などは、退官後に日本の大企業に天下りするケースが多いことも問題視されてる。そして最後に、加害者だけが100%悪いと言い切れないところだ。詳しく調査してみると、被害者の方も加害者に対して、相当悪事を働いていたということもある。

ましてや、冤罪だったという可能性もある。冤罪は絶対にあってはならない。

 

 

 

 

 

野球データ革命

近年の野球は、データ野球と言ってもよい。メジャーリーグで定番化された極端な内野シフトが象徴的である。すべての打者ごとに過去の打球方向がデータ化され、よく飛ぶ方向に守備を配置する。確かに合理的だ。

大谷翔平に対しても極端な右寄りシフトが敷かれているが、おそらく大谷の技術ならガラ空きの三遊間を狙ってヒットにすることは出来るはず。でも、大谷はホームランバッターなので、基本的にはいつもホームランを狙っている。結局は、奇を狙って三遊間に打たれるより、ホームランを狙ってフルスイングする確率が圧倒的に高いため、このシフトは変わらない。

 

ところで、どのようにデータを収集しているのかというと、ある特別な装置がある。メジャーリーグはもちろんだが、NPBにおいても、すべての球場にスタットキャストというシステムを導入していて、投球と打球のすべてのボールの軌道をトラッキングしている。(トラックマンという計測器で測るのだが、もともとは、弾道ミサイル迎撃用の「パトリオット」の開発で、弾道を解析するために生まれた、軍事用レーダーにも使われる装置から、開発された製品である)

スタットキャストにより、投手や野手のあらゆるデータが瞬時に確認できるようになった。そして、各球団には、データ分析に長けたアナリストが採用され、監督やコーチとは別の視点でチームに貢献している。

それでは、投手と打者のそれぞれの視点でデータを見てみる。

 

投手

まず、どんな投手が失点を防げる投手なのか。代表的な「防御率」という指標があるが、これは守備力も関係してくるため、正確にそれを表してはいない。打者はバットに当てればエラーやポテンヒットの可能性もある。よって、バットに当てさせない投手、つまり「奪三振数」が多い投手がよい。かつ、「四死球」と「被本塁打」が少ない投手。これが最も失点を防げるタイプの投手だ。この三つの指標で、優れているのが、山本由伸、千賀滉大、リリーフで言えばモイネロだ。

そして、これらの投手にも共通する点だが、球速も大事な要素である。まず、球速が140キロの場合、打者までは0.45秒だ。打者はスイングすると決めてからインパクトまで、どんな打者でも0.26秒はかかる。つまり、残りの0.19秒で球を見極め、打つか打たないかの判断をしなければならない。

ストレートの球速が速いということは、打者は早めに見極めなくてはならない。そして、変化球かどうかを見極めるタイミングも早くなる。つまり、球のスピードが速ければ速いほど、打者は見極める時間が短くなる。よく、とんでもない高めのボール球を振る姿を見て、「見逃せばよいのに・・」と思われるが、見極められないのだ。

ちなみに、NPBの平均速度は145キロ、大学生は140キロ、高校生は135キロだが、メジャーは150キロだ。やはりメジャーで活躍するにはこのスピードボールに慣れる必要がある。

また、打ちづらさでいうと、すべての球種を「ピッチトンネル」を通すことがあげられる。ピッチトンネルとは、球をリリースした瞬間からできる限りホームベースに近いところまで同じような軌道に見せる「トンネル」に通すことだ。よく、ストレートとフォークの見極めが出来ずに、面白いようにクルックルッと空振りさせられる投手がいるが、まさにこのピッチトンネルを通され、打者からは手元にくるまでどっちか分からない状態なのである。その際、ストレートは、低めのピッチトンネルではなく、高めに照準を合わせた方がよい。なぜかと言うと、低めの場合、フォークボールはワンバウンドしてほとんどボールになるが、高めから落とせばストライクとなる。つまり、打者は見逃せばどちらもストライクとなってしまうから、振らざるを得ない。

 

打者

どんな打者が優れているかという指標だが、チームの勝利に貢献できる選手という意味においては、「得点力」の高い選手が優れた選手だ。では、どんな数字を持っていれば、優れた選手なのか。もちろん、打率、打点、本塁打の数字が一番わかりやすいが、「得点力の高い選手」という指標においては、「OPS」が最も重要視される。OPSは、出塁率長打率を足した数字である。これが、1.0を超えると「超一流」と言われる。

では、OPSを高めていくためには、どんなアプローチが必要か。出塁率長打率の両面を上げていく必要があるが、そのためにはまず長打率を上げることだ。なぜなら、長打が多いとバッテリーは甘い球を投げづらくなり、必然的に四球が増えるからだ。

では、長打を打つには、つまり、飛距離を伸ばすためには、「打球速度」と「打球角度」の2点が重要である。まず、打球速度でいうと、150キロを超えると本塁打割合が一気に増えていく。それと同時に二塁打と単打の割合も高まる。つまり、バッティングにおいては、「打球速度は速ければ速い方がいい」と断言できる。

もうひとつの指標である「打球角度」だが、バレルゾーンと呼ばれる角度がある。おおよそ26度〜30度と言われているが、打球速度によってその角度の幅が違ってくる。最低でも時速158キロは必要だが、187キロを超えると、ほぼどんな角度でも本塁打になる。

そして、最も打球が飛ぶインパクトというのがある。それは、ややアッパー気味(19度上向き)で、かつ、ボールの中心より0.6センチ下を捉えることだ。このインパクトの仕方が最も飛ぶことがデータで証明されている。ちなみに王貞治氏は、17度上向きスイングで本塁打を量産していたことが分かっている。王さんと言えば、素振りの時は超ダウンスイングをすることで有名だが、あれは、もともとのアッパースイングの癖を修正するために、意識付けをしていたということだ。実際の球を打つときにはアッパースイングになっている。

メジャーでは極端な内野シフトを敷かれているので、ゴロを打ってしまえばアウトになる確率が上がる。そのため、内野や外野の頭を越える打球、つまり単打より長打を狙う選手が増えてきた。これを「フライボール革命」という。

 

最後に

メジャーリーグというのは、あらゆるデータを活用して、いかに「勝つ確率」を上げるかということにフォーカスしている。だからあんな極端な守備シフトを敷くし、フライボール革命も起きる。でも、これが行き過ぎると、観ているファンからすると、あまり面白くないスポーツになる。イチロー氏も危惧していたが、これだと、選手が自分の頭で考えなくなり、指示された通り動くだけの操り人形のようになる。打者も単打ではなく長打ばかり狙う選手が増え、ベースボールの醍醐味でもあるベースランニングの「スピード感」を失ってしまう可能性がある。いい当たりをしても野手の正面ばかりではなんとなくつまらない。それを問題視し始めたのか、来年からは極端な守備シフトを禁止する動きもある。

このように、ベースボールも常にアップデートして魅力的なスポーツにしていく必要があるのだろう。

 

 

 

世界一速く結果を出す人は、なぜ、メールを使わないのか

世界のトップに君臨し続けるGoogleは、どのようして働いているのだろうか。Googleでの働き方、仕事術を紹介している。

まず、一般的な会社と大きく違うのが、ものすごくクリエイティブな仕事であることだ。ゼロイチ、つまり新しいことを生み出す仕事である。世の中にまだないサービスを考え、そして世界中の人々が利用することを想定している。スケール感が全然違う。なので、一般的な会社とはアウトプットの種類が違うことが大前提としてある。

その中で、一般の会社でも参考になる部分をまとめてみる。とりわけ、多くの日本人企業で行われているムダなことをあげてみる。

 

持ち帰って検討しすぎる

たとえば顧客との商談で、「持ち帰って検討します」という場面があると思う。自分の判断で進められないなど、社内の専門部署へ確認しないといけない場面。その際は、いまチャットや電話で聞いてみる。もちろん即返答してくれるか分からないが、もし返答があれば即刻問題は解決する。もし即レスがなければ、その他の決められることは決めておいて、進められるところまでは進めておく。

 

分析・検討しすぎる

筋道を立てて考えることは確かに大事だが、その場の「直感」にも、実は大きな意味がある。「直感」はただの思いつきではなく、今までの経験の積み重ねからもたらされるものである。ロジカルシンキングは、考えをまとめて誰かに伝える、つまりアカウンタビリティ(説明責任)を果たす時には重要だが、クリエイティブに考えるためのツールではない。

 

社内メールのムダ

Googleでは、社内でメールは使わない。メールでのやりとりより、その場のやりとりで仕事を完結させる。ミーティング時にはその場でクラウドのグーグルドキュメントに議事録を書き込む。全員が同時に書き込む。また、日々の仕事の中で、誰かに意見を求めたい場合、チャットですぐ聞く。もっと掘り下げたい場合は、ビデオ会議をつないでコミュニケーションをとる。そうすればその場で解決できる。

 

言葉よりプロトタイプでやりとりせよ

プログラマーの世界では、言葉で説明するのではなく、「試作品」でやりとりする。これを「プロトタイプシンキング」という。まずはプロトタイプを作り、そこから議論をしていく。こうすると、それぞれの認識の違いがなくなるので、やり直しもなくスムーズに進む。何かプロジェクトを企画する際も、完璧でなくていいので、「こんなふうにやりたい」というものをペライチにまとめる。現物を示す何かがあるのとないのとでは、その後の進み具合が全然違う。

 

自分の仕事をなくす

オックスフォード大学でAIの研究をしている教授によると、AIを含めたテクノロジーの進歩で、あと10年で世の中の半分の職業がなくなるとのこと。AIに仕事をとられないためには、「自ら自分の仕事をなくしてしまうこと」だ。つまり、自らの仕事を、テクノロジーに置き換えて、もっと速くできないかと考えることだ。IT化して自分の仕事を減らすことで、もっと違う、新しい仕事を考えることが重要である。

 

まとめ

Googleという世界のトップランナーだからか、少しレベルが高い仕事術だが、一般企業にも参考になる箇所は少なくない。特に、コミュニケーションの取り方なんかは、飲みニケーションを活用したりと、ザ日本企業の典型みたいなことも取り入れている。まあでも、そこで話す内容が全然違うのだろうけれど。

とにかく、テクノロジーが発達した現代社会において、変化を恐がり、自分が変わらいことはリスクだ。変わらない=それは現状維持ではなく、「ゆるやかな死」であるということを、もっと理解する必要がある。