百田尚樹の日本国憲法
まず、日本国憲法はいつ作られたのかと言うと、第二次世界大戦の敗戦後、アメリカのマッカーサー率いる連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)が日本を占領していた1947年5月。
草案はGHQが10日間で作り、それを圧力で通させた。それが今まで一言一句変わらず続く日本国憲法である。
憲法の中身は時代に合わせて修正していくのが世界の常識なのだが、日本は一回も変えていない。しかもアメリカが作った内容なのに。
戦後憲法を改定した回数(アメリカ6回、韓国9回、イタリア15回、フランス27回、ドイツ62回)
日本国憲法の内容は、現代にそぐわない内容のままずっと変えられずにいる。
その理由の一つに、厳しい条件がある。「国会議員の3分の2の賛成」と「国民投票で過半数」が必要だからだ。
もう一つは、戦後の教育によるところが大きい。
愛国的な思想を持つ教育者やGHQに批判的な教育者は、教育現場から排除された。日本は戦前軍国主義で侵略戦争をしていたという自虐史観教育を行なっていった。
そしてメディアや共産主義者たちは、第9条の「武力放棄」の内容が世界で唯一の「平和憲法」だと誇ることで、日本国憲法は「聖書」のごとく崇める存在となっていった。
この本で百田尚樹氏が一番懸念しているのが、日本の隣国(中国、韓国、北朝鮮、ロシア)が日本の領土(北方領土、竹島、尖閣諸島)を脅かしていること。
日本の国防はすべてにおいてアメリカ頼りなので、もしアメリカにソッポを向かれたら、武力を持たない日本には全く脅威は無い。
自衛隊は、自国を攻撃されて初めて対抗出来るため、国土を侵略されても手は出せない。つまり入られ放題。すぐに本土を占領されてしまう。
仮に先制攻撃でミサイルを打たれても、アメリカは本当に守ってくれるのかはかなり疑問だ。
まずは自衛隊が先に対抗しろと言われるだろう。
日本への抑止力はアメリカとの日米安保条約で担保されているが、逆に言うとそれしか無い。
安保条約で言うと、岸信介総理の偉大なる功績がある。元々日米安保条約はサンフランシスコ講和条約の時に結ばれたが、当時の内容は酷かった。
・アメリカは日本国内で自由に基地を作っても良い
・日本の内乱時に米軍が抑圧できる
・有事の際に日本を守る義務は無い
この内容をすべてひっくり返させたのが、新安保条約。岸信介総理が命懸けで改定させた。
当時は反対派に大暴動されたりしたが、今となってはこれが「我が国最大の抑止力」になっている。
「日本国憲法改定」
第9条に自衛隊の文言を入れたかった。
これは安倍総理の悲願であったが、志し半ばで退任せざるを得なかった。
最後に、百田尚樹氏が提案する第9条改定案は、
「他国からの侵略を受けた場合、徹底してこれと戦う」
これはつまり、アメリカに頼る事なく自国で軍を持ち、場合によっては核の開発を進め、隣国の脅威に備えるという事。