実験思考 世の中、すべては実験
本屋でこの本をパラパラと立ち読みしていたら、「価格自由」と書かれたページがあった。その下にはQRコードがあり、「読者の方がどのくらいこの本に対価を支払ってくださるかリアルタイムで見れます」と書いてある。
なんの事かとふと本の値段を見てみると、なんと390円！
え！どういうこと？
この本を読んでもらった後に、自由に価格を決めてくださいということ。もちろん支払わなくても良いし、通常の1500円以上を支払っても良い。
1500円以上の金額には、クラウドファンディングのように段階的に、それぞれの金額相当の特典が付いている。最大価格はなんと1000万円！
著者の光本勇介さんはかなりぶっ飛んだ起業家だそうだ。
帯にはホリエモンのコメントがあるし、ZOZOの前澤社長、DMMの亀山社長とも深い関わりがあるようで、いわゆる’’そちら界隈の人’’である。
僕も好きなジャンルの人だ。
光本さんがリリースした代表的なサービスに、簡単にショップサイトが作れる「STORES.jp」、買取アプリで先にお金を受け取れる「CASH」がある。
聞いたことはあったが、初めて詳しく内容を知った。
特に「CASH」はぶっ飛んだアプリだと思う。自分の私物を写メで撮った瞬間に金額が表示され、納得したらOKを押して換金できるというシステム。
かなりリスクあると思う。ある意味日本人だから成り立つ「性善説」のサービスだろう。
光本さんはとにかく事業アイデアを考えるのが好きで、四六時中アイデアのネタを拾っている。自分が有名になりたいとかお金持ちになりたい訳じゃなく、世の中（マス）を相手に、「こんなことしたらどうなるんだろう？」と、壮大な実験をしたいと考えている。
本当に面白いしぶっ飛んだ人だ。なかなかこんな人は居ないんじゃないかと思う。
ここからは、本書を読んで自分なりに感じた事を挙げておく。
それは、「世の中の人は先払いシステムに慣れすぎていて危ういんじゃないか？」という懸念。
CASHのシステムもそうだし、有名なところではZOZOの「ツケ払い」もそうだ。先に果実を手にして、あとでその対価を払う。そもそもクレジットカードの仕組みがそうなのだが、普通に一括払いだと問題無いと思うが、リボ払いは危険である。
あと、日雇い系の人材派遣会社が行なっている、「日払い・週払い制度」。とにかく、働いたらすぐにお金を手にしてすぐに使う。あるいは、目先の生活費が必要で貯金が出来ない状態。
普通は、お金が貯まってから使う。お金が無いならとりあえず先にお金を貯める。これが当たり前だと思うのだが、世の中にはそうじゃなく、あればすぐに使う。お金が無くても借りて使う。そういう人達が少なくないという事だ。
そこに目をつければビジネスにも発展していくのだなぁと感じた。先にお金を手にするためのコスト（手数料）はあまり気にしないという事だ。
言い換えれば、先にお金を手にすること自体に「価値」があるということ。
ここに着目すれば、CASHやリボ払い、日払いのよう仕組みが生まれるのだなぁと。
