触れてはいけない!日本の「聖域」図鑑
前回書評した「知ってはいけない」系の本だ。
知ってはいけない 隠された日本支配の構造 - 気ままに書評ブログ
114個の内容をダイジェスト的に紹介している。さらっと広くいろんなことを知ることが出来る。
その中から特に気になった三つを挙げてみる。
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外国人労働者の受け入れ支援機関「JITCO」
僕は人材派遣会社に勤めているので、外国人の雇用は割と身近に感じている。ウチの会社は身分の在留資格(永住者や定住者)が無いと採用はしないのだが、「外国人技能研修生を受け入れてもらえませんか」という外国人エージェントからの営業電話はよくかかってくる。
東南アジアの若年層を、その国に行って面接し採用する。来日までには日本語の教育をし、簡単な会話くらいは出来るようにしてから配属するとのこと。
その教育費用や移動旅費なども受け入れ企業が負担する事になっている。
そこで、すべての関係者(送り出し機関、受け入れ機関、外国人労働者)の支援をするという名目で存在しているのが、「JITCO」(ジツコ)という公益財団法人だ。
雇用する企業が支払う会費収入でかなり儲けているとのこと。なんと財産残高が37億円もある。
法務省を中心に天下りが多く、役員の給与は月額90万円+ボーナスもあり。めちゃくちゃ待遇良い…
政府は2019年4月に入管法を改定し(特定技能資格を追加)今後5年間で35万人の外国人労働者を受け入れるとしている。
今後もJITCOの既得権が発揮される。
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パチンコ業界と警察の癒着
パチンコ店で出た玉を景品に交換して、すぐ隣の景品交換所で現金に換える。これを警察は「違法とは言えない」と黙認していること自体、おかしすぎる!
誰にでも分かる、思いっきり賭博の仕組みが成り立っているのに。普通に考えて、何で警察は黙っているの?と思うよね。
理由は、パチンコ業界は警察OBの天下り先になっているからだ。パチンコ機器メーカーや業界団体、さらにはTUCショップ(景品交換所)も天下り先となっている。
そう、ここにも既得権が存在していた!
まぁ僕はまったくパチンコをやらないので関係無いのだが。
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JASRACは重箱の隅をつつくように
JASRAC(ジャスラック)はあらゆるところから著作権益を徴収して、その原資から歌手に印税を払っている。
飲食店から音楽教室から、業を成しているところからはすべて徴収する勢いで、重箱の隅をつつくかのように細かく徴収する。
でもそのおかげでアーティストに印税が支払われるとなれば、いささか納得感はある。
最近の傾向でいうと、Spotify、Apple Music、LINE Musicなどの音楽ストリーミングが主流になりつつあるが、そこからはしっかりと明確に利益の何パーセントという比率で徴収しているようだ。その方が歌手を守れるので良いという意見もある。
でもAmazonプライム(AmazonMusic)は月額400円だけど安すぎないかな。
総括すると、この本は、主に既得権により聖域化されている業界団体や会社、さらには国の、「これおかしいんじゃないの」というところを複数人のライターによりまとめられていて、興味深く読めた。