総務部DX課 岬ましろ
近年バズワードのようになっている「DX」だが、そもそもどういう意味なのか。
「DX」=「デジタルトランスフォーメーション」
直訳すると、デジタル変容(変革)
つまり、「デジタル技術を浸透させることで人々の生活をより良いものへと変革すること」
そして、「既存の価値観や枠組みを根底から覆すような革新的なイノベーションをもたらすもの」
と言われているが、概念的な説明ではいまいちわからない部分もある。
ということで、この本はストーリー仕立てで「DX」を解説している。
もちろん、広義の意味での「DX」はまだまだ説明が足りないが、アナログからデジタル化による業務効率の向上(業務プロセスのDX)と、顧客の利便性とベネフィットの創出(提供価値のDX)について解説されている。
業務プロセスのDX
まずは、日々のアナログ業務をデジタル化して、ツールはSaaSを使う。社内業務や情報共有にメールやFAXを使ってはいけない。すべてクラウド上で行うこと。コミュニケーションはチャットツールを使用する。
とにかく、単純作業は省力化して、なるべくなら人間がやらないような仕組みにする。そこにはAIやRPAツールもどんどん取り入れる。
小口などの経費も、現金は極力使わずに、なるべく電子化(クレジットカードや電子マネー)する。紙の領収書は扱わず、電子化して管理する。
本部と現場のコミュニケーション、あるいは業務上のやりとりは、すべてオンライン上で行うこと。コストも最小限に抑えることができるし、何より「時短」になる。
この、業務プロセスのDX化がまずは最低条件となる。
提供価値のDX
そして、お客さんへ提供する価値を最大化する。それには、リアルとデジタルを融合させて「新しい価値」を創造することだ。そして、シームレスなUX(ユーザー体験)を提供し、お客さんにストレスをかけないことが重要だ。
つまり、お客さんの満足を最大化させるための「DX」であるということ。
お客さんは何を求めているのか、あるいは潜在的なニーズは何か?そこを突き詰めて考えることが大切だ。
お客さんを満足させる付加価値を創造し、新しいキャッシュポイントをみつけ、企業としても利益を上げていくことが大事である。その仕組みを作り上げていく上で「DX」が必ず必要になってくる。
つまり、DXとは単なるデジタル化のことではないし、業務効率を上げるだけのものでもない。
新しい価値を創造し、かつ、省力化で効率よくサービスを提供できる仕組み。これが本当の意味での「DX」と言える。