最速で身につく世界史
TBSのバラエティーのディレクターが書いた世界史の本。東大卒ということもありかなり頭の良さが伝わってくる。
世界史のエッセンシャル版として24のテーマに沿って解説している。
そもそも人類の誕生はいつなのかという事だが、20万年前に東アフリカでホモ・サピエンスの祖先が居たとの事。
そこから世界に広がっていったのが6万年前。まずはヨーロッパ、中東、中国、日本、オーストラリアと渡り、最後に到達したのがアメリカ大陸で、南下して行き海に出て最後の最後にハワイ島に到達が1000年前との事。1000年前だと割と最近に聞こえる。
そこから「文明」が起き「宗教」が出来る。最初に発達したのが紀元前4世紀に「ユダヤ教」、紀元前後の「キリスト教」、7世紀に誕生した「イスラム教」。これらの共通する点はすべて同じ「神」を崇拝するという事。違う点は、その神の啓示を伝える「預言者」が違うということ。
ユダヤ教は「モーゼ」、キリスト教は「イエス」、イスラム教は「ムハンマド」。
それ以外のヒンドゥー教や仏教は「多神教」なので各分野にたくさん「神」が居るということ。
そして、「馬」を飼い慣らして「移動手段」にしてから一気に歴史が動く。ローマ帝国など他国を支配する帝国が誕生する。
ちなみに、18世紀にイギリスで蒸気機関が発明されるまでは馬が動力源の中心だった。
14世紀頃、富が手に入り、生活に余裕が生まれると、精神的な満足を求めるようになる。その流れで芸術と科学が生まれ「ルネサンス」と呼ばれる。
キリスト教の世界観である「天動説」は16世紀コペルニクスにより「地動説」が唱えられ、ガリレオにより確定付けた。
国家の種類は大きく分けて2種類である。
「王国」と「共和国」
「王国」は、神様が選んだ王様がいて、その子孫が歴代の王様へとなっていく。
「共和国」は、人々が選んだ大統領が国の代表となる。
日本で言う天皇のことだが、「天皇は国の象徴」だから厳密には共和国の方だろう。
もう一つ、社会主義中にでは、「会議」が国の代表となる。ソビエトや今の中国がそれに当たる。
一部の権力者が富を独占すると必ず市民革命が起きて王政をひっくり返す。フランス革命からナポレオンが台頭し各国へ「自由・平等・博愛」を広めていった。
世界初の株式会社は、1602年に作られた「オランダ東インド会社」である。
資本家を募り利益を分配する仕組み。
そしてイギリスがその仕組みをうまく模倣し、綿織物生産から製鉄業、機械工業、炭鉱業へ。蒸気機関の発明で動力革命が起き、産業革命へとつながる。
そして世界大戦の話。
第一次世界大戦は、ドイツ、オーストリアが他のヨーロッパ諸国へ喧嘩を仕掛けたが、最後アメリカの加担により敗北する。
第二次世界大戦はその負けたドイツが報復に燃え、ヒトラー率いるナチス・ドイツによりまた仕掛けていった。日本も朝鮮、中国、そして東シナへ進出しようとしてアメリカへ喧嘩をふっかけてしまった。
そして持たざる国(ドイツ、日本、イタリア)の挑戦は失敗した。
第三次世界大戦が起きないのは、核がヤバくなりすぎて、片方が仕掛けると必ずカウンターパンチが来てお互いを破滅させる事になるから。
その後はアメリカとソ連の冷戦が続いたが、1989年のソ連崩壊により冷戦の終結が宣言された。
ちなみに1989年は歴史的な年だ。日本では昭和から平成に変わり、中国では天安門事件が起こり、ドイツではベルリンの壁が崩壊され、ソ連解体、冷戦の終結。
大昔の世界史よりもやはり現代世界史の方が入ってくる。特に戦前戦後のあたり。日本の過ちとその後の復活。