カープを蘇らせた男
広島東洋カープは、昨年2019年に久しぶりのBクラスへ沈んだ。
でも、2016年〜2018年にかけてのリーグ3連覇は凄かった。しかも圧倒的な強さでぶっちぎった。
何故そんなに強くなったのか、理由を知りたくなった。
もちろん、選手たちの地道な努力や頑張りによるものだけど、客観的な要素というのも知りたい。
この本では、オーナーである松田元氏の改革が寄与していると書かれている。(松田元氏はマツダの代々続く御曹子だが、マツダを辞め広島カープのオーナーとなった人)
一つは監督の人事。
山本浩二監督の後にブラウン監督という外国人を抜擢したこと。ブラウン監督は、アグレッシブスタイルや投手の分業制、打順の否固定化など行った。
徐々に選手たちへ伝染し、次の野村健二郎監督の更なる意識改革と若手の育成。そして緒方孝市監督となり、類まれな選手起用法などで花開いた。
もう一つは、黒田と新井のカープ復帰による若手選手への多大な影響。復帰の翌年から3連覇している事を考えれば、確実に飛躍のきっかけになったと言えるだろう。
あと、広島市民球場からマツダスタジアムに変わってから、野球場をボールパーク化してお客さんを楽しませ続けたことが、いまのカープ女子を始めとする幅広いファンの獲得につながったのだろう。
いまでは、マツダスタジアムの年間のホームゲーム指定席は1日で完売するという、取れないチケットで有名だ。お客さんの動員数が増えれば選手もその気になるというものだ。
あと、カープ女子の話でいうと、もともと首都圏で始まり、広島県に縁もゆかりも無い人が7割以上とのこと。応援時に着る赤いユニフォームや応援での一体感などがウケるのだろう。
ちなみに、12球団中、球場の「所有権」を持っているのはソフトバンクだけである。そして球場の「指定管理会社」として球団が運営しているのはカープとロッテだけ。
これは何を意味するかというと、球場の企画運営の自由度があるか無いかということ。
日本ハムは独自に球場を所有するため、2023年に札幌ドームから新しいスタジアムに移転する。これも球場運営の自由度の問題からである。
カープの快進撃は選手の育成など様々な要因があるが、環境を変えてきたことも大きな理由だろう。