生命保険はヒドい。騙しだ
著者がめちゃくちゃ怒っている。とにかく怒っている事を本にしてしまったという印象だ。こんな本を出せる出版社は、やはり幻冬社。
思いっきり名指して「日本生命」と言っている。こんなの大丈夫なのかなと思ってしまう^^;
まあ書籍では何を言っても良いのだろう。表現の自由、民主主義国家ならでは。
内容としては、著者が41歳の時に入った終身保険が68歳満期を迎えたあとに保険料が3倍になることを聞かされる。(毎月56,000円が163,000円になる!)
今まで25年間支払ってきた保険料の通算は1400万円。更新せずもし満期で支払いを終えると、5000万円の死亡保障が100万円のみとなる。仮に今解約すれば80万円のみ返戻される。この事に猛烈に怒っている。
たしかに、毎月の支払い続けた保険料の高さを考えると、それなりの見返りがないと厳しいだろうなと思う。
ただ一方で、保険というのはそういうもの、という冷静な見方もある。
もし65歳までに亡くなっていたら5000万円は支払われたのだから。
子供が社会人として独り立ちしていない時期にはお金が必要だろうし、残された奥さんが大変になるのは目に見えている。
逆に、もし65歳以上で亡くなったとしたら、子供はもう立派な大人だし奥さんも遺族年金とかで生活出来るだろうし、葬儀代がカバーできるくらいの保障金額でよい。
だから、保険とはそもそもそういう性質のもの。
この筆者がめちゃくちゃ怒っていることは、そこまで共感できない。
問題は、加入時に十分な説明を受けていないこと、その仕組みを理解していない上で加入してしまったことである。
例えば、僕は生命保険には入っていない。
亡くなった時の保障に関しては、不動産の団体信用保険があるので、自宅のローンは無くなり、収益不動産もローンが無くなる。そして毎月家賃収入が入ってくる。
それで生活はしていけるはずなので生命保険には入らない選択をした。
厳密にいうと、以前は入っていたが解約した。
どちらかというと資産運用に重きを置いた(インデックス分散投資型)終身保険に入っていたが、5年くらいで解約した。
理由は、個人型確定拠出年金(今でいうiDeCo)の方が圧倒的にお得だと知ったからだ。
支払う保険料全額が所得控除できたり、保有時やもらう時にも税金が優遇されている。投資信託で運用するのだが、圧倒的に信託報酬手数料が安い。
つまり、資産運用型の生命保険に入っている意味がなくなった。
これを保険の営業さんに伝えたところ、確定拠出年金の仕組みを知らなかった。ファイナンシャルプランナー2級を持っているのに。。
確定拠出年金は国が作った制度なのだけど、結構みんな知らない。
話を戻すが、生命保険というのは日本では当たり前に入るものだと親や周りの大人は言うけれど、何のために入るのかをしっかりと理解しないといけない。
ただ何となくとか、生保レディの熱心な営業や知り合いの付き合いで入るなど、やめた方がよい。
僕もそうだが、若い時にはあまり知識もないし考えないと思うが、生命保険会社はしっかりとした金融工学により成り立っている。
まず、会社側で確保する利益を差し引いてから、人が何歳までに何人死ぬのか、厳密に計算された上で保険料を設定する。
会社の取り分がしっかりと抜かれていることを十分理解しないといけない。
その原資が、主要都市に建てられるテナント貸し用の巨大なビルとなり、世界の株式市場に投下される株式となる。
批判をするつもりはないが、生命保険とはそういうものだと理解した上で、加入するかしないかを決めた方が良いと思う。